第37章 空の海
「……楽しい〜…はっ、道案内!!あ、でもあっちも気になる………えっと、あの……見てくる!!」
ナミの顔色を伺いつつ雲から雲へと飛び乗って道を雲上から見ていく。しょうがないわね、なんて顔をしてるから怒ってはいなさそうだ。ふかふかでふわふわで弾力があるこの雲は癖になりそうだ。もっと遊んでたい気持ちを抑えながら道をなんとか覚えていき、船へ戻る。
「ナミー!!分かったよ!!最初右ね。」
「ありがと!!」
着々と行き止まりにならないように案内しているところで、バカ3人が帰ってきた。
「あ、おかえり〜。」
「お、なまえ!門見つけたぞ門!!」
「門?」
「ああ!あの滝みたいなヤツの下にでっけェ門があった。」
「……じゃあそこがゴールかな?」
「多分そうだ!」
「ここを抜けたら分かるさ。」
先にゴールへ行ってた3人、主にウソップの言葉を信じ案内を進めやっとのことで出口に着くことができた。現れたのは大きな門で、確かにルフィが言ってたとおりだ。
「見て、あの滝みたいな雲はやっぱり滝なのよ…!!さっきの性質の違う雲の上を流れてるんだ。」
「“天国の門”だと……」
ここから先は私達が渡ってきた弾力雲が途切れてしまうので船へ戻る。少し名残惜しいが、空島へ行けばいっぱいあると信じよう。
「縁起でもねェ、死にに行くみてェじゃねェか…」
「…いーや、案外おれ達ァもう全員死んでんじゃねェのか?」
「そうか、そのほうがこんなおかしな世界にも納得がいくな。」
「死んだのかおれ達!!?」
「死んでないよチョッパー。だまされんな。」
「天国か〜楽しみだ!!!こっから行けるんだやっと!!」
いや顔ブッサルフィ。というか、私達は海賊なわけで行けるとしても地獄だと思うんだけど。そもそも死んだ覚えがないから死んだていで進めるのやめない?
「……!!誰か出てきたよ。」
門をくぐろうと近づくと、ドアからおばあさんが出てきた。こんなところに人がいるなんて…いや、人…か?
「観光かい?それとも…戦争かい?どっちでも構わない。上層に行くんなら入国料1人10億エクストルおいていきなさい。それが『法律』。」
羽が生えてる……ということは、天使ということ?でも天使って天国にいるはずだから天使ではないのか。そういえばさっき会ったゲリラってやつにも天使の羽生えてたよね。