第37章 空の海
「1ホイッスルとは、一度この笛を吹き鳴らす事。さすれば我輩、天よりおぬしらを助けに参上する!!!本来はそれで空の通貨、500万エクストル頂戴するが、1ホイッスルおぬしらにプレゼントしよう!!その笛でいつでも我輩を呼ぶがよい!!!」
カラン、と船に笛を置いてくれた。マジで、プレゼントしてくれるとか優しいなこの人。
「待って!!名前もまだ…」
「我が名は“空の騎士”ガン・フォール!!!そして相棒のピエール!!!いい忘れたが我が相棒ピエール、鳥にして“ウマウマの実”の能力者!!つまり翼を持った馬になる!!!即ち………」
「うそ…!!素敵…!!!ペガサス!!?」
この世界でもペガサスというものは知ってるのか。ペガサスといえば女の子の憧れと言っても過言ではない。ユニコーンとかね。ナミが興奮するのも分かる、私だってドキドキとしてるんだもん。しかし現れたのは…
「そう!!!ペガサス!!!勇者達に幸運あれ!!!」
確かに……ペガサスっぽいシルエットはしてたけども。してたけどもなんだろう、何かアホっぽいようなバカっぽいような……なんか微妙なんだよね。もっとペガサスってすっ、としてて神々しいような……夢みすぎなのか?
「オカシな生き物になったぞアレ。」
「…結局何も教えてくれなかったわ。」
「……そうだ……ホント……何も。」
「これでフリ出しに戻ったぞ。」
「で、どうやって上へ行くんだ?」
「よし、じゃあおっさん呼んで聞いてみよう。」
「ちょちょちょ!!ちょっと待ってルフィ!!これは緊急事態に助けてくれるってヤツでしょ!!?」
「またあの仮面つけた妙な奴が現れた時どうすんだよ!!!」
軽率に笛を吹こうとするルフィを必死に止める2人。いや、必死に止めてくれるのはいいんだけどさ…ナミ、首持つのやめようぜ?ルフィ死んじゃう。
「とりあえずどこかへ船を進めよう。」
「そうだね、なんか目印になるところないかな?」
「それならあるぞ!!あそこ見てくれ!」
一面一色の雲景色の中、チョッパーが何やら見つけたようだ。
「何かしら…滝の様にも見えるけど。」
「変な雲だろ?」
確かに滝に見える。雲も水みたいに流れることってできるのかね?でもこれで目指すものができた。というか、あそこしか変わったところがないから自然と向かうしかないというか。