第37章 空の海
「ならば仕方あるまい…ここは“青海”より7000m上空の“白海”。さらにこの上層の“白々海”に至っては一万mに及んでいる。通常の青海人では体が持つまい…」
やっぱり7000mにいるのか。さっきの魚といい雲といい、ここに住んでる人達はこの空気の薄さにも適応できるような仕組みでもあるのかな。それにしては空の騎士?さんは重そうな鎧をしてるけど。
「おっし!!だんだん慣れてきた。」
「そうだな、さっきより大分楽になった。」
「イヤイヤイヤイヤ、ありえん。」
精神統一をはかってたルフィとゾロはそうやっていった。空の騎士さんが普通に突っ込んでいるところを見ると、慣れるなんてことは普通はないのだろう。だからやっぱりこいつらは普通じゃないってことだ。
「ちょっと待ってよ!!勝手に話を進めないで。“青海人”って何?」
あ、そっか。普通に私は知ってるから特に気にしてなかったけど、初めて来たナミ達は知らなくて当然だ。いや、私も初めて来たんだけどさ。
「あ〜……えっと、青い海の人と読んで青海人ってこと。つまり、こことは違う下の海から来た人の総称……ですよね?」
「ウム。」
「なるほど………なんであんたが知ってんのよ。」
「情報を持ってる方が便利でしょ?」
怪しんで見てきたナミに堂々とそう言う。やー、ビビの時に学んだからね。焦って誤魔化そうとすると余計怪しく見えるもんだから、堂々として言うことにしたの。そのおかげでナミもふ〜ん、という感じに追求してこなかったし。
「それよりさっきの奴、海の上を走ってたのは何でなんだ?」
「まァまァ待て待て…質問は山程あるだろうが、まずビジネスの話をしようじゃないか。我輩、フリーの傭兵である。ここは危険の多い海だ。空の戦いを知らぬ者ならさっきの様なゲリラに狙われ空魚のエサになるのがオチだ。1ホイッスル500万エクストルで助けてやろう。」
船に沈黙が走る。みんなして首を傾けてハテナマークを浮かべるのだ。さすがに私でもちょっとわからなかったぞ。
「何言ってんだおっさん。」
「ぬ!!バカな…格安であろうが!!これ以上は1エクストルもまからんぞ!!我輩とて生活があるのだから!!」
「………あの〜、エクストルってここの海のお金の単位ですよね?私達お金も換金してないし、1エクストル何ベリーかも分からないんですけど……」