第37章 空の海
「“六輪咲き(セイスフルール)”!!!OK!!引き上げて!!!」
「うおっ!!?っぷ、ふんんぎぎぎぎ、」
「ルフィ!!頑張れ!!」
ロビンのOKの声でルフィが腕を引っ張って引き上げようとする。しかし何かが引っかかってるのか、雲が重いのか分からないけどそう簡単に引っ張れなくて苦戦をしていた。なんとか力尽くで引き上げて海面に出てきたウソップに、とりあえず安堵するが…
「何かついてきたぞォ!!!」
「いやあああああ!!!」
「ウソップを食う気だ!!!」
大きな海王類の様な生物と、その海王類の何倍も大きいタコが一緒に出てきた。ウソップを追いかけてきたんだろうけど、それにしても大き過ぎて突然の出没に船が引っ繰り返りそうになる。
「そうビビるようなモンでもねェだろ。」
ゾロがすぐタコに斬りかかった。確かに大きいのは何回も見てるし、動物よりも遥かに強いやつらと戦ってきたけど…だからって慣れるもんでもないし怖いものは怖い。でも大分パニックを起こさなくなったな、とは思うけど。
「はァ!!?」
パァン、とタコが破裂した。まるで風船のようだ。タコを斬ってたはずなのに、見てても分かる手応えのなさにハテナマークが飛ぶ。しかもちょっと攻撃しただけだというのに、ゾロもサンジも息切れをしている。
「…さて、妙な生物だぜ?こりゃ…魚類かどうかも疑わしい…」
「風船みてェだな、あのタコは…」
「一応生物だろ、動いてた…」
「雲の中に生物がいるなんて………」
「やはりここは…“雲”というより“海”と考えたほうがよさそうね。」
「この平べったいヘビは何だ?」
「ヒラメだ。平べったいからな。」
「これがヒラメかー…」
「ヒラメじゃないと思うけど…」
次々と出てきた雲の生物に謎が深まるばかりの一味。ヒラメについて突っ込んだものの、初めて見た生物に断定することは難しい。でもヒラメって平べったくて茶色で、ヒラヒラしてるやつだよね?これはどっちかというとコイ○ングのようにビチビチしてる…
「ギャアアアアアアアア!!」
「うるっっせェな、今度は何だウソップ!!!」
「ズボンの中に………!!なんかいた………空島コワイ空島コワイ。」
「ウソップ〜〜〜!!!」
「厄日ね。」
普段突っ込まないロビンにまで突っ込まれちゃってるし。ウソップ、お前はもう動かない方が身の為だぞ。