第37章 空の海
「オイオイ無茶すんな。まだ得体の知れねェ海だ!!」
「海は海さ、はっはっはっはっはっ!!」
サンジの注意ももっともだ。この雲の海にどんな生物がいるかわからないし、まず人間が泳いでもいい海なのかとか。でも気持ちは分からなくもない。だって空の海だなんて夢があるじゃないか。私もできれば泳いでみたいとか思うけど……上手く泳げなかったら落ちちゃうかもしれないからやだ。
「顔……出さねェぞ………」
「…………ん?あれ……」
「どうした?」
あれ、私さっき落ちちゃうかもって言ったよね。何げに言ったけど、よく考えたら雲の海って……雲だから、雲から抜けたら落ちるよね?
「…………マズイ、……ねぇルフィ!!早くウソップ引き上げて!!この海、雲だから底ないんじゃないかな!!?」
「まさか…!!!」
「あの野郎、雲から落ちたのか!!?」
「雲から落ちちゃったら死んじゃうよ!!!」
「ウソップ〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」
あまりにも慌てすぎてルフィをバシバシと叩く。私の発言でみんなが慌てふためく。なんでこんな簡単なこと思いつかなかったんだ。いや思いついたんだけども!!何気なく言ったから気づかなかった!!半泣きになってルフィが伸ばした腕を覗き込む。
「だから言ったんだあのバカ!!!」
「できるだけ腕を遠くに伸ばして!!!」
「でも下は見えねェから勘だ…!!」
「大丈夫、任せて。」
ルフィまで半泣きになってる。せっかくここまで一緒に来たのに…今回は本当に命の危険がある。それでもロビンは冷静にルフィに指示を出していた。どうするんだろう…何か案があるってことだよね。
「“目抜咲き(オッホスフルール)”!!!………いた!!!」
「え!?どこに!!?」
私達には見えない景色がロビンには見えているのだろう。きっと、伸ばしたルフィの腕に目を咲かせているのだと思う。ロビンがいなければウソップを助けることはできなかった。