第37章 空の海
「………!!まいった…何が起きたんだ。全員いるか……?フー…」
「おい!!!おいみんな見てみろよ!!!船の外っ!!!」
ちょっと待ってくれ、まだ息も整ってないのによくそんなに元気だな。でもつられて外を見る。外はキラキラと白く光っている景色が広がっていた。光っているのは多分太陽の光なのだろうけど…ここは天国か?本当に雲の上か?まず雲の上って乗れるんだ…と頭の中で思考が入り交じる。とりあえず言えることは、キレイだということだ。
「…………何だ!!?ここは!!!真っっっ白っ!!!」
「雲…!?」
「雲の上……!!?何で乗ってんの……!!?」
「そりゃ乗るだろ。雲だもんよ。」
「いやいやいや……普通は乗らないよ!?」
「そうなのか?」
そっか、ルフィは雲には乗れるもんだとずっと思ってたのか。多分足を踏み入れた瞬間にスカッ、となると思うぞ。ルフィは意外にメルヘンだもんな。……常識がないともいうが。
「大変だァ、ウソップの息がない!!!」
「何ィ!!?何とかしろ!!!人工呼吸だ!!」
えっ。確かに静かだな、と思ったけど…まさか息がないとは思わなかった。人工呼吸をし始めたルフィを見て、あ、こいつこんなことできるようになってたんだな。とか、マウスピースいらないの?とか、直……と変な気持ちになったのでとりあえずウソップのことはルフィに任せることにして視線を逸らす。
「つまりここが…“空の海”ってわけね。でも見て、“記録指針(ログポース)”はまだこの上を指してる!!」
「どうやらここは“積帝雲”の中層みたいね…」
「確か空島って、上空1万mじゃなかったっけ…」
「そうなのか!?」
あれ、クリケットさんが言ってなかったけ…言ってなかったか。じゃあこれは私の中で覚えてた知識だな。今ここがどのくらいの位置にいるのか分からないから、あとどのくらい上がればいいのかもわからない。あまり意味がない知識なのかもしれないけども。
「第一のコ〜ス!!キャプテン・ウソップ泳ぎまーーーす!!!」
「おう!!やれやれ!!」
あ、起きたんだウソップ。よかったよかった、息を吹き返してくれて。それにしても回復早すぎない?