第37章 空の海

「風の向きもバッチリ！！“積帝雲”は渦潮の中心に向かってるわ！！！」

「おい何だ渦って！！？そんなもんどこにあるんだ！！？」

「どうやら今回当たりの様だぞ兄弟。」

「ああ、爆発の規模も申し分なさそうだ！！」

「行けるのか！！？」

「ああ、行ける！！」

猿2人も行ける、と断言した。あんなに静かな海だったのに、荒れに荒れてて水を被り全員びしょ濡れになっている。雲の動きの中心に渦ができててそこに大きな渦潮があると考えられる。その時、マシラの船からワイヤーが飛んできて、メリー号を掴んだ。

「何だ！？」

「渦の軌道に連れて行く！！！」

「……そしたら！！？どうしたらいいの！！？」

「流れに乗れ！！！逆らわずに中心まで行きゃなる様になる！！！」

「この大渦の！！？」

連れて行ってくれるのか、なんて冷静に思ったが…船の外をみて絶句した。見たこともない大渦があったのだ。大渦に飲み込まれたことはあった。フーシャ村を出たときにすぐに出くわした渦だ。でも、あれは渦であって…今のは大渦だ。規模が違いすぎる。

「飲み込まれるなんて聞いてないわよォ！！！」

「大丈夫だ！！！ナミさんとなまえちゃんとロビンちゃんはおれが守る！！！」

「絶対だよ！！？絶対守ってねサンジ！！！」

「こんな大渦初めて見たわ。」

「やめだァ！！！やめやめ！！！引き返そう、帰らせてくれェ！！！」

「観念しろウソップ…手遅れだ。1人すでに…ノッちまってる。」

「行くぞ〜〜！！！“空島”〜〜！！！」

この大渦の凄いところは、海王類でさえ簡単に飲み込んでしまうところだ。私達より少し早く飲み込まれてしまった海王類を見て、震えが止まらない。これに……私達は乗るの？？

「じゃあおめェら！！！あとは自力で何とか頑張れよォ！！！」

「ああ、送ってくれてありがとうな〜〜！！！」

「待て〜っ！！！」

いつの間にか遠くにいた猿山連合軍。大渦に飲まれないような安全なところに避難してるのを見てよく分からない怒りが込み上がってきた。空島に行きたい、でも死にたくない。楽しみ、だけどそれ以上に怖い。ありがとう、たけど置いていかないで。色んな感情が込み上がってきてゴチャゴチャになる。