第37章 空の海
「おいお前らァ〜〜〜!!!大園長(ボス)を怒らせんじゃねェぞォ!!」
「まーー、いーーからいーーから。ハラハラするぜ、あいつらのシカトっぷりには……!!」
「何だ、どうしたんだ!?まー、そんなにあせってもしょうがねェからさ!楽に行こうぜ!!」
「誰が予定遅らせたんだよ。」
それね。ルフィがヘラクレスなんか捕まえてるから出航が遅れて、のんびりとノックアップストリームの出るところを探る時間がなくなったってのに。よく言うわ。
「だがそりゃそうだ。何時間も緊迫し続けたってしかたねェ。」
「成程な………よーし野郎共、気を抜きながら全速前進〜。」
次の瞬間全員が気を抜いてどべ〜〜っとなる。気のせいか、船まで気を抜いて曲がってるような。
「大丈夫かオイ…」
「これは気を抜き過ぎなんじゃ…」
でも本当に良い天気。こっから出没地点までどのくらいかかるか分からないけど、ちょっと眠くなってきてしまった。ジャヤへ着いてからまともに寝てないからしょうがないか。仮眠でも取ろう…
「何だ何だァ!!?」
「予想より早く“積帝雲”が現れたって!!まだ海流の位置もわかってないのに!!」
うん……何だ?いきなりみんなが慌て始めた。さっきまで何事もなく進んでたのに…まだ寝起きで覚醒してなく、目をこする。誰かに寄りかかってるな、と思ったのは気のせいではなかった。隣にゾロがいて、いい枕になってくれたのだ。
「あ、ごめんゾロ。おはよ〜…」
「おう。」
みんなの緊迫とは真逆なのほほん、とした会話をしてたら…波が大きくなったららしく、船ががくん、と揺れた。
「うわあ!!!」
「何だ!!!」
「波が急に高くなった!!!」
「うわあ〜〜、沈んじまうぞ!!!」
「爆発の前震だ!!気をつけろ!!!」
大きく船が傾いた為、何も捕まるものがなかった私は前転してしまった。途中で隣のゾロが私の腕を掴んでくれなかったら連続前転して壁にぶつかるところだったわ。
「航海士さんっ!!」
「え!!?」
「“記録指針(ログポース)”はどう?」
「………………!!!ずっとあの雲を指してる!!!」
あれが積帝雲…ゴロゴロとしてて、黒くて大きい。ログがそれを指してるっていうんなら、あそこに空島があるって断言してもいいことになるよね?