第36章 ロマン
目的がものの数分で変わるってどういうことよ。ぶっ飛ばして捕まえるってことなの?まぁそういうことで、私達は3手に別れた。ゾロにはロビンが、サンジにはナミとウソップが、ルフィにはチョッパーと私が。最初ゾロについていこうと歩きだしてたんだけど、突然腕に伸びてきた手が巻き付いてきてルフィに連行されてしまった。いや、確かにね?アラバスタで許可なく離れるの禁止って言われたけども。口で言えばええやん……
「捕まえた〜〜〜〜〜〜〜!!!」
「えっ!?」
別れてそうそう捕獲早くない?鳥なんてどうやって捕まえればいいんだろうって考え始めてものの数秒しか経ってないよ?と思いルフィを見ると、手に持ってたのは…
「見ろよチョッパー!!“アトラス”だ!!!」
「カブトムシかい!!!」
そうやって興奮して嬉しそうにチョッパーに見せびらかしてる。対してチョッパーはその興奮が分からなかったみたいで、首を傾げていた。
「アトラス!?」
「そうさ!!“アトラス”と“ヘラクレス”は世界中の人間の憧れなんだぞ!!!」
「へーー、カブトムシが??“ひとつなぎの大秘宝(ワンピース)”とどっちがすごいんだ!?」
「う〜〜〜〜〜〜〜ん、ムズかしい!!!」
そこ悩むとこなの??ワンピースって言っとけよ。残念ながら私はカブトムシにそこまで魅力を感じることはできない。ルフィはコルボ山にいた時はよく獲ってたよね。そんで私達に見せてくれたけど、興奮してたのはエースとサボだけで。男の子の夢やロマンが詰まったもの、という認識なんだけど…大体の女子はそんなもんだよね?
「ルフィ!ここにもなんかいるぞ。」
「“ミヤマ”じゃねェか!!捕まえろ!!!」
「うわあ!!飛んで逃げた!!」
「追え!!絶対逃がすな!!!」
「デッケークモだ!!」
「邪魔だ、蹴っ飛ばせ!!!」
「いやおいどこ行くの!!?」
私達の目的はカブトムシを捕まえることじゃなくて、サウスバードを捕まえることでしょうが!!また目的変わってるよルフィ!!ていうか私ミヤマもアトラスも知らない!!ツッコミもそこそこに飛んだミヤマを追いかけて行った2人を追いかける。