第36章 ロマン
「なぁなぁ、“インゴット”って何だ?」
「んえ?」
黄金をガン見してたから、チョッパーに聞かれてたの気づかなかった。くいくい、と服引っ張るのやめて可愛いから。
「えっとね、インゴットは〜…金の塊のことだっけな…なんか型に金を流し込んで固まらせたものなんだよね。昔は金をグラムで分けるために加工されたものだから…」
「えぇ。それで取り引きがなされてた事になるから、この辺りに“文明”があった証拠にはなるわね。」
「へ〜…」
途中で自信がなくなってロビンに助けを求めてしまった。さすが、自然にフォローしてくれた。それを聞いてチョッパーも納得したみたいだ、助かった。
「そう、それに前文になった奇妙な鳥の鳴き声…おいマシラ。」
「オウ。」
「わっ!!まだあんのか。」
「こっちのはデケェな。」
マシラが出してきたのはミニ鐘よりは大きいインゴットだった。ミニ鐘よりもさらに小さい鐘を持った鳥だ。
「あ!これ知ってる。サウスバードだ!!」
「よく知ってるな、その通りだ。ちゃんとこの島に現存する鳥だ。」
「鳴き声が変なのか?」
「あぁ、日誌の通りさ。」
「“黄金の鐘”に“鳥”…それが昔のジャヤの象徴(シンボル)だったのかねェ…」
「わからんがこれは…何かの造形物の一部だと思うんだ。」
サウスバード…知ってると言ったが、これはワンピースの知識ではない。小さい頃、海に出るために自分で船乗りの本を買って読んでたサボに教えてもらったことがあったからだ。ルフィやエースは知らないだろうな…
「そういえば…サウスバードと言えば、昔は船乗り達が利用してたって話を聞いたことあるよ。なにせサウスバードは、何があっても南を向く習性があったとか…」
「そうそう、よく知っ……」
「「「!!!しまったァ!!!!」」」
「何だ!!?どうした!!!」
サボに教えて貰った豆知識を披露したら、それに頷いていた猿山連合が一斉に叫んだ。何事だ、と驚く。