第36章 ロマン
宴は後半になり、さっきよりも出来上がった者たちがいる中で勢いは止まらない。
「ジャヤ到着の日!!1122年5月21日の日記。」
「「「「「ノーランド!!!ノ〜〜〜ランド!!!」」」」」
「その島に着き我々が耳にしたのは、森の中から聞こえる奇妙な鳥の鳴き声と大きな、それは大きな鐘の音だ。巨大な黄金からなるその鐘の音は、どこまでもどこまでも鳴り響き、あたかも過去の都市の繁栄を誇示するかの様でもあった。広い海の長い時間に咲く文明の儚きによせて、たかだか十数年生きて全てを知る風な我らには、それはあまりにも重く言葉をつまらせる!!我々はしばしその鐘の音に立ち尽くした!!!」
「あーー!!イカすぜノーランド!!!」
「素敵、巨大な黄金の鐘だって。」
「おっさん何だよ、やっぱノーランド好きなんじゃねェかっ!!!」
それが黄金都市にあるっていう全部が黄金の鐘なんだろうね。そんなのがあれば、一族の繁栄も目に浮かぶほどだよ。鐘の音なんて、除夜の鐘しか思い浮かばないから、是非とも聞いてみたいな。
「これを見ろ。」
「うわっ!!“黄金の鐘”!!!」
「触ってもいいですか!?」
大きな荷物を持ってきたと思ったら、私達に見せてくれたのは金ピカに光る黄金だった。ナミが幸せそうに黄金に頬ずりしてるのを見て、私も黄金たるものを持ってみたくなってしまった。クリケットさんに了承してもらうために聞くと、黄金の鐘を手渡してくれたのでありがたく受け取る。
「で、どの辺が巨大なんだ!?」
「別にこれがその“鐘”というわけじゃねェ。鐘型のインゴットだ。これを3つ海底で見つけた!!」
キレイだな…インゴットって長方形のものを想像しちゃうんだけど、ちゃんと形になってるのもあるんだね。写真撮りたくてさっきからウズウズしてるんだけど…
「何だよ、あるんじゃん黄金都市。」
「そーいう証拠にゃならねェだろ。この量の金なら何でもねー遺跡からでも出てくる。」
「“インゴット”って何だ?」
ずっと見てられるな〜…元々宝石とかキラキラ光ってるもの大好きだし、日本にいた時は道に落ちてるパチンコの玉を拾ってキレイに洗ってコレクションとかしてたんだよね〜。