第35章 同志
「何だよ…やんのか!!?」
「………マシラの…あいつのナワバリで日中“夜”を確認した。次の日には南の空に“積帝雲”が現れる…月に5回の周期から見て“突き上げる海流(ノックアップストリーム)”の活動もおそらく明日だ。そいつもここから南の地点で起こる。100%とは言い切れんがそれらが明日重なる確率は高い。おれはお前らみたいなバカに会えて嬉しいんだ。さァ一緒にメシを食おう。同志よ。」
これはクリケットさんの勝ちだな。さすが大人だ。ウソップは言い返すどころか、参ったようにその場で崩れ落ちた。
「………しし!!メシだーー!!ウソップ急げ。」
「オウ早く来いーー!!」
家へ戻っていくみんなと、その場に残ったナミ。私がナミと顔を見合わせると、ナミはしょうがないわね、と言わんばかりにため息をついた。ウソップの気持ちは分からなくもない。だから、何も言わずに私はウソップの肩を軽く叩くのだ。
「最善を尽くすしかなさそうね…空へ行く為に。でも…最終的には運任せ。」
「ナミ…おれはミジメで腰抜けか?」
「おまけにマヌケね…気持ちは分かるわよ。」
「……ちゃんと謝りなね、ウソップ。」
何か吹っ切れたように立ち上がったウソップは、顔を涙でぐちゃぐちゃにしながらクリケットさんに抱きつきに行った。それを見てナミは今度は呆れたようたため息をつき、私はやっぱりそんなウソップがいいなって思うのだった。