第35章 同志
「なァおっさん!!預言者じゃあるまいしわかりゃしねェと思うが、次に“突き上げる海流(ノックアップストリーム)”の上空に偶然“積帝雲”が重なるであろうって日は約何日後?いやいや…何ヶ月後?いや何年後になるかなァ!?」
めっちゃ必死やん。何日後じゃまだ足りず、何年後まで聞いちゃってんじゃん。まぁ確かに何年後かのことだったらさすがのルフィも諦めるからだろうな。
「明日の昼だな。行くならしっかり準備しろ。」
「明日!!!?」
「間に合うじゃねェかァ〜〜〜〜〜!!!!」
「?何だ、そんなにイヤならやめちまえ。」
意外に早かった。まさか明日だなんて誰が予想しただろうか。だからクリケットさん冷静だったんだね。でも、これでルフィを説得するものはなくなったわけだが…どうしようか。
「ウ…ウソだろ!!!」
「ア!?」
「だいたいおかしいぜ!!!……!!今日初めて会ってよ!!親切すぎやしねェか!!?それによ!!」
「おいウソップ、」
「おめェは黙ってろ!!!」
ウソップがクリケットさんに啖呵を切った。悔し紛れのためだろうか…いや違うだろうな。ウソップ、君はバカだね。
「“空島”なんてよ…!!伝説級に不確かな場所に行く絶好の機会が…!!明日だと!!?その為に船の強化や進航の補助をしてくれる!!?話がウマすぎるぜ!!!一体何を企んでやがるんだ!!!お前は『ウソつきノーランド』の子孫だもんなァ!!!信用できてねェ!!!」
あぁ、そんなこと言っちゃ駄目でしょ。それは駄目だよウソップ。あんただってシロップ村でウソをつき続けてどうなったよ。
「おやっさーーん!!メシの支度が出来たぜーー!!今日のは格別だぜ!!!」
「コイツスゲー料理うめーんだ!!ハラハラするぜ。」
「だから一流コックだっつってんだろ。ナミさーーん、なまえちゃあーーん、ごはんでき…ん?」
3人の空気を読まない乱入が幸いか、変な空気が漂う。クリケットさんの顔はうつむいてて見えない、怒らせてしまっただろうか。