第35章 同志
ということは、大きな賭けに出ろと言うんだろうか。だから最初に命を賭けろって言ってたんだね。どうなるか分からないから。積帝雲に乗れて、上手く飛ばされないように船を調整して、さらに空島が上空にある、なんて確率どのくらいなんだろうか。
「よ…よし!!“空島”を諦めよう!!ははは!!あ〜〜…!!残念だなルフィ、こりゃ無理だぜ。なにせおめェ、ラッキーの中のラッキーの中のラッキーの中のラッキーくらいのラッキー野郎じゃなきゃ行けねェって話だ。」
「大丈夫さ、行こう。」
「大丈夫ってお前また、そんな根拠のねェ事を軽々と…だいたいよ…今のG・M号を見ろよ…あの痛々しい姿…!!このままじゃ巨大な災害になんて立ち向かえねェよ。」
「確かにな、あの船じゃ…例え新品の状態でもムリだ。」
「何ィ!!?」
新品の状態でも無理か…やっぱり古い型だからかな…でも大きな船だからいいとかそんな話ではないんだろうけども。
「スピード…重量…強度…あの船じゃ爆発と同時に粉砕して終わりだ。」
「………!!……でも……な!?だろ!?ムリだやっぱ。」
言い返したいのを堪えたなウソップ。大切な船が貶されるのは嫌なんだろうけど、それより天秤にかけて空に行きたくない気持ちが勝ったんだろうね。
「だがその点は心配するな、マシラとショウジョウに進航の補助をさせる。勿論事前に船の強化をした上でな。」
「オーーウ!!任せろおめェら!!!」
「よろしくなーー!!」
ウソップの我慢も役に立てず、ことはスムーズに進んでいく。これは…そろそろ覚悟しといたほうがいいのかもしれない。
「あんたね、わかってんの!?そもそも…そうよ!!私達がこの島に滞在してられる時間はせいぜいあと一日よ。それを過ぎたらもう記録指針(ログポース)はこの次の島の方角を指し始めるわ。」
「だよなー!!だよなー!!間に合わねェよ。」
ナミとウソップによるルフィ説得が始まった。これでルフィが折れるとも思えないんだけど、かすかに応援してる私がいる。