第35章 同志
マシラとあった時だね。ルフィ達を飲み込んだ大きな亀がいて、その亀をしのぐ大きな巨人…いや巨人より遥かに大きい何かがいた。私達は死に物狂いで逃げたんだったよね。
「巨人の事か。あいつらがどこからやって来るかって謂れもあるが、今はおいとけ。突然来る“夜”の正体、それは極度に積み上げられた雲の影だ。」
「………雲?」
「積乱雲の事?雲がかかる程度でできる闇じゃなかったわよ。」
「おっさんバカだなー、雲が多い日は『くもり』になるんだぞ。」
「あぁ、『くもり』だぜ。」
「『くもり』だ。」
「黙って聞けィ!!!」
くもりくらい分かってるだろ、あんたらバカ3人じゃないんだから。でも、ナミの言うことは正しい。積乱雲があっても、そこに影ができるくらいであんな真っ暗にはならないはずだ。……でもなんだっけ、積乱雲に似た雲の名前があったはず。
「あ、待って……積帝雲だ!」
「なんだ、知ってるじゃねェか。」
「なにそれ。」
「えっと、積み上げても気流を生まない雲……でしたっけ?」
「そう、空高く積み上げるその中には、気流を生まず雨に変わる事もない。そいつが上空に現れた時、日の光さえも遮断され、地上の『昼』は『夜』にもかわる。一説には“積帝雲”は何千年何万年もの間、変わることなく空を浮遊し続ける“雲の化石”だという。」
「そんなバカな事…」
「あるわけないと思うのも自由。おれは別に信じろと言ってるわけじゃない。」
「“不思議雲”って事か。」
「そうなるな。未だ解明されねェ雲だ。」
今までずっと言ってた不思議シリーズに、やっと当たることができたねルフィ。でも大体不思議というと、ルフィの場合はちゃんと科学的に理解できてないことが多いから…今回はマグレだな。
「いいか、“空島”がもし存在するというのならば、そこにしか可能性はない。」
「そうか!!よしわかった!!その雲の上に行こう、ゾロ起きろ。」
「お、朝か。」
「おいみんな支度しろ!!雲舵いっぱいだ。おっさん、教えてくれてありがとう!!」
「行き方がわかんないって何度言わすの!!?」
せっかち過ぎるぞ、二人とも。まだ構造的なものを教わっただけじゃないか。まず雲舵ってなんだ。