第35章 同志
「すごい…400年前の日誌なんて………海円暦1120年6月21日快晴、陽気な町ヴィラを出航…“記録指針(ロクポース)”に従い、港より真っ直ぐ東北東へ進行中の筈である。日中出会った物売り船から珍しい品を手に入れた。『ウェイバー』というスキーの様な一人乗りの船である…無風の日でも自ら風を生み走る不思議な船だ。コツがいるらしく、私には乗りこなせなかった。目下、船員達の格好の遊び物になっている。…ウソッ!!何これ欲しい〜!!」
「「「いいから先読めよ!!」」」
バカ3人がどんどんと日誌を読んでいるナミに近づいていく。近すぎるその距離に苦笑しつつも、私もその日誌の内容に入り込んでる。
「この動力は“空島”に限る産物らしく、空にはそんな特有の品が多く存在すると聞く。“空島”といえば、探検家の仲間から生きた『空魚』を見せて貰った事がある。奇妙な魚だと驚いたものだ。我らの船にとっては未だ知らぬ領域だが、船乗りとしてはいつか“空の海”へも行ってみたいものだ。『モンブラン・ノーランド』。…“空の海”だって…」
「ロビンが言ってた通りだ!!」
「それにこの時代じゃ“空島”があって当たり前の様に書いてあるぞ。」
「やっぱりあるんだ!!!」
「やった〜〜〜!!!」
空魚やウェイバー、私達の知らないものが書いてある。空想にしては具体的だし、やっぱり本物なんだな。私も空島への希望を持ち始めた。最初からあるのかな?とぐらいにしか思ってなくて確信はなかったけど…
散々喜んだあと、外にいたクリケットさんに集合をかけられた。これから空島への行き方について、教えてくれるらしい。サンジはそのままクリケットさん家で夜ご飯を猿達と作ってくれるらしいから、残りの私達で聞かないといけないんだけど…寝るの早すぎだよゾロ。
「いいかおめェら、まず…“空島”についておれの知ってる事を全て教えてやる。何もかもが不確かな事だが、信じるかどうかはおめェら次第。」
「うん、信じる。」
「早ェよ。」
「この辺の海では時として真昼だってのに一部の海を突然“夜”が襲う、奇妙な現象が起きる。」
「あった!!おう!!あったぞそれ!!!なァ!!」
「おう!!夜が来て、ほんでその時怪物が現れたんだ。」