第5章 旅立ち
「?なまえのことは好きだぞ?」
「その好きじゃないんだな〜村の人達が言ってるのは!まぁいいや、天候が荒れないうちに出発しよう!」
「そうだな!じゃ!!おれ達行くからよ!!」
「どうもお世話になりました!」
船が見えなくなるまで手を振ってくれる村の人達。いい人達だったなぁ、寂しくなるなぁ。家からちょっと離れた隅に、ダダン達がいるのが見えた。結局来てくれたんじゃないか。小さく手を振ると、早く行けとばかりしっしっ、とされてしまったが…それがダダン達の送り方なんだなって思ったら嬉しくなってきてしまう。
「やー、今日は船出日和だなー。」
「このまま晴れだといいけど…」
その時、大きな水しぶきを上げてこれまた大きな怪物が出てきた。おっっ…きい。森でみた熊より大きいんじゃ…しかしルフィは臆するどころかむしろ嬉しそうにそれを見た。
「出たか近海の主!相手が悪かったな。10年鍛えたおれの技を見ろ!!ゴムゴムの……銃(ピストル)!!!!!思い知ったか魚め!!」
あぁ、成長したなぁ。あんなに真っ直ぐに飛ばなかった腕が、しっかりと急所に当たっている。毎日練習した成果が出たねルフィ。
「んん…!まずは仲間集めだ。10人はほしいなぁ!!」
「その為には、大きな海賊船も手に入れないとね!」
「あぁ、それと海賊旗!よしゃ行くぞ!!海賊王におれはなる!!!」
気合は十二分、やる気もばっちり。これからルフィとまだ見ぬ仲間達と一緒に冒険して行くんだと思うと、わくわくしてくるな。
「しかし、こんなに気持ちいい日なのになぁ。この船旅はひとまず遭難って事になるな!」
そう、出発して1時間くらいたってからいつの間にか大渦の波にのってたみたいで、もう中心が見えてきているところだ。小船だから舵とかきかないしね。なんで私ルフィについてったんだろう。
「はぁ…こんなことなら地図の本とかダダンさん達からもらっとけばよかったなぁ…」
「まさかこんな大渦にのまれるとは。うかつだった。助けてほしいけど誰もいないし、まーのまれちまったもんはしょうがないとして…泳げないんだよねー、おれ。」
「バカだなぁ…こんな大渦の場合、泳げようが泳げまいが関係ないっしょ。」
「おお、そうだな!!」