第35章 同志
チョッパーをはじめとして、私達はクリケットさんらしき人…もうクリケットさんでいいや、まぁその人をベットに運び看病をしている。
「タオルをもっと冷やしてきて、窓は全開に!」
「潜水病?」
「このおっさん病人なのか。」
「うん、ダイバーがたまにかかる病気さ。本当は持病になったりする様なものじゃないんだけど。海底から海上へ上がる時、減圧が原因で体の中のある元素が溶解状態を保てずに、その場で気泡になるんだ。気泡は血管や血管外で膨張するから、血流や筋肉・関節に障害を与える…」
「あァ、怪奇現象ってわけか。」
確かに私でも少し難しい説明だけど、怪奇現象って括るのはどうかと思うよルフィ。さっきまでクリケットさんを眺めてたのに、チョッパーの解説に頭がショート状態になったのか窓の外をながめてるし。
「この人はきっとその気泡が体から消える間もないくらい、毎日毎日無茶な潜り方を続けてきたんだ。」
「一体何の為に……!?」
「わからないけど……危険だよ。場合によっては“潜水病”は、死に至る病気だ。」
……そっか。みんなが看病してる間に私は家の周りをぐるっ、と観察させてもらう。一応、ダイバースーツ?みたいなものはあるんたけど、この人さっきも何も着ないで潜ってたらなぁ…そんで本がいっぱいあって、銃もキレイに並べてある。
「……あれ、この写真…」
目に止まったのは、3人で写ってる写真。真ん中にいる人は、多分若いときのクリケットさんなんだろう。しかし、その両隣にいる人…いや、猿には見覚えがある。ヤバイ、かも?
「ねぇ、ちょっとみんな…これ、マシラとショウジョウって人じゃない?」
「え?何…」
「「おやっさァん!!大丈夫かァ!!!?」」
一瞬の沈黙。あぁ…気づくのがちょっと遅かったか。ナミが私の問いかけに気づいて近寄ってきてくれたところで、家のドアから当の本人達が現れてしまった。
「うわ〜〜〜〜〜〜!!おれ達を殺しに来やがったァ!!!」
「ギャ〜〜〜〜〜〜!!!」
こんな狭いところで乱闘なんてごめんだ。逃げ場がないし、家が崩れたら怖い。とりあえず、冷静にこの状況を説明して落ち着いてもらうことが先決。