第35章 同志
「「す…すげェ!!!」」
「あれがそいつの家なのか!!?」
「スッゲー金持ちなんじゃねェのか!!?」
バカ3人が騒ぐのは分かる。最初見えてきた時は、私もマジかって思ったから。でも違うことはすぐわかった。だって、この家には…いや、家に見える物は、影や立体感がないから。
「バーカ、よく見ろよ。」
「夢見る男ねェ…少なくとも、見栄っ張りではある様だな。」
「なにが??」
「…………チョッパー、横から見てみな。」
真っ直ぐに近づいたから、単純な奴は騙されてしまうんだろう。しかし、横からみたら一目瞭然だ。しかし、まぁド派手なものを作ったねぇ。ド派手っていうのなんだか久しぶりだわ。
「げ!!!ただの板!!?」
「なにーーーーっ!!?」
「当の家は半分だけ…あとはベニヤ造りだ。」
「ずいぶんとケチな男らしいな…」
ケチか……この家は、クリケットさん本人が造ったものなのかな。でも、職人さんか何かじゃないと半分だけ造る、なんて職人技できないだろうし。
「一体どんな夢を語って町を追われたの?」
「くわしくはわからないけど……このジャヤという島には、莫大な黄金が眠っていると言ってるらしいわ。」
「「「「黄金!!?」」」」
バカ3人+ナミが過剰な反応を示した。黄金かぁ…確かに、あの町じゃ笑いものにされるだけだろうな。バカにする例として、黄金郷が入ってたのは、この人の例だったのかな。
「こんにちはーー!!おじゃまします!!」
「いや……えぇ…?」
黄金と聞いてチョッパーに何故か地面を掘らせるナミと違い、ルフィはズカズカと断りもなしに家に入っていった。
「ん?誰もいねェな…こんにちはーーーー!!!」
「誰もいないんなら引き返そう、外で待ってれば帰ってくるかもよ?」
「そっか。じゃ、待つ。」
なんとかルフィを外に出すことに成功。勝手に入ったら誰だって不審に思うし、海賊だったら尚更だ。私達は空島への情報を手に入れるためにここに来てるわけだから、なるべく刺激しないように穏便に話を聞いてほしい。