第35章 同志
「あ!?とにかくおれのすげェところはどういうとこかって言うと、生まれてこのかた髪の毛を切った事がねェってことだ。なァお前びっくりしたか?」
「ばかみてェ。」
「うわっ、びっくりした!!!」
お前がびっくりすんのかい。たまーにいるよね、髪の毛全然切らないで伸ばす人。別に悪いとかそんなのはないけど、そこまでいくと一種のファションみたいなもんだよね。
「てめェ大園長(ボス)に…」
「いーからいーから、まったくお前の解答にはハラハラさせられるぜ。いーーか、おれの怒りという名のトンネルを抜けるとそこは血の海でした。」
「どうでもいいけどおれ達行きてェ場所があんだよ。どいてくれ!!」
「あほたれェ!!!ここらの海はこのおれのナワバリだ!!!通りたけりゃ通行料を置いて行け!!!」
ん?ナワバリって……さっきのマシラも言ってたよね。ここの辺の海賊はナワバリってものを持ってるのかな。…にしても共通点が多すぎる。
「あの、マシラさんって知ってます?」
「何!!?マシラァ!?マシラがどうした!!」
思ったよりも過剰な反応をみせた。やっぱり知り合いだったんだ。じゃあルフィが蹴っ飛ばしたってこと、言わないほうがいいよね。
「ん?あいつならおれ達が蹴り飛ばしてやったんだけど、でも…」
「け…蹴り飛ば…!!!…トバ!!!“兄弟”をよくもォ!!!」
あーあーほら、ルフィは何も考えないんだからー。しかも関係はご兄弟ですか、そりゃお怒りは当然だね。私も気づいた途端止に入らなかったことも悪かったけどさぁ。
「おいちょっと待てって。蹴ったけど、あいつまだちゃんと生きて…」
「マシラの敵だァ!!!音波!!!“破壊の雄叫び(ハボックソナー)”!!!」
ルフィの弁解も聞かずに怒りのまま攻撃を繰り出してきた。いや、猿かよ。その技というのも、なんか超音波?みたいのを出して攻撃するものなんだけど…私達にはその技は届かず、あちらの船がボロボロになっているだけである。
「えっと、どうすればいいのこれ。」
「何やってんだあいつら。」
「さーー。でもすげェな、声で船が壊れてくぞ!」
「みんな!!ボーッと見てないで今のうちに先へ進むのよ!!」
そうだった。この人達が邪魔してて先に行けないんだったね。ナミの指示で私達は船を動かす準備に取り掛かるが…動き出した板に異変を感じて足が止まる。