第35章 同志
私達はモックタウンからそのモンブラン・クリケットとかいう人のところに訪ねるために船を出していた。対岸だからすぐそこなんだろうけど…向こう側にいる船を見てデジャヴを感じているのは私だけではないだろう。
「探索中止!!船へ戻れ!!『ウータンダイバーズ』!!!」
「ウォーホー!!」
「さっそく変なのに出くわしちまったな。でもあいつじゃねェみてェだぞ、ウソップ。」
「あぁ、まァそれがよかったか悪かったかは別だがな。」
船もそうなんだけど、乗っている人達の雰囲気までマシラ達に似ているのだ。ルフィ達が蹴っ飛ばしたから、復讐に来たんじゃないかと怯えるウソップとチョッパーにルフィはそう言い放つ。
「どうしたの?あの人はルフィ達が蹴っ飛ばしてたじゃん。」
「ちげーんだよ!!おれ達は見たんだ!!」
「うん!!あのサルベージの奴、やっぱりこの島の奴なんだよ。帰ってくるとこ見たんだ。」
「えっ……そうなんだ。」
「ふーーん、別にまた会ってもいいけどな、おれは。」
ルフィは心底どうでも良さそうに返事をした。確かに脅威的な敵ではなかったし、くくりでいうならハチ辺りじゃないだろうか。少し抜けているような感じが特に似ている。というか、そんなのはどうでもよくて…
「オウオーウ!!ニーチャンニーチャン!!そっちでゴチャゴチャ言ってんじゃねェーーぞォ!!!ウォーーホーー!!!フン…!!どこの誰かと思って、ハラハラしたぜ。」
「思い切った顔してんなー。何類だ?」
「人類だバカヤロー。」
「ぶっ、」
確かに猿っぽい顔してるけど、何類か聞くのは思い切りすぎだ。猿、というかどっちかというとオラウータンに似ている。
「ウォーホー!!おめェら!!!ウチの大園長(ボス)を怒らすんじゃねェぞ!!!」
「まーー、いーからいーから。おめーら海賊の様だな。知っとるか?“七武海”の一角、あのクロコダイルが落ちたんだ。実力的に言ってそのイスはまさかしておれに回ってくんじゃねェかって、もーハラハラして待ってるおれだ。」
「へーー…お前七武海に入りてェのか。」
いや、多分そういうことを言いたいんじゃないんだと思うけど。というか、クロコダイルぶっ飛ばしたのは何を隠そうここにいる麦わらの男なのだ。