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異世界人の冒険

第34章 夢を追う者


「おめェ…海賊か…!?」

「ああ、そうだ!!」

「懸賞金は」

「3000万!!!」

「3千万?お前が…!?そんなワケあるかァ、ウソつけェ!!!」

「ウソなんかつくかァ、本当だ!!!」

「やめろ!!」

さっきのサーキースって奴といいこの人といい、やっぱりルフィは見た目強そうに見えないんだな。私達は一緒に冒険してるからルフィの化物じみた強さは嫌というほど知ってるし、もっというならゾロやサンジもその類に括られるだろう。しょうがないといえばしょうがないのかな。

「ホラホラ店の中で乱闘はゴメンだぜ。てめェはコレ持ってさっさと帰んな!!チェリーパイ50コ。」

「フン……」

さすが治安悪い町で働いてる人だ。穏便に機嫌を損ねずここから出る方法を知ってる。大男はチェリーパイを受け取るとお店から出ていった。あー、よかった。何事も起こらず済んで。お店の人に感謝だ。ほっ、としてイスに座り直しジュースを飲むと…またお店の入り口あたりが騒がしくなった。

「“麦わら”を被った海賊がここにいるか?」

「べ…!!!ベラミーだァ!!!」

「“ハイエナのベラミー”、間違いなく……何かの実の“能力者”だ。」

「へェ…お前が…?3千万の首か………“麦わらのルフィ”。」

いかにも、という感じのマントをつけた男が現れた。やっぱりチャラい。ベラミーって言ったよね、じゃあこいつがホテルでみたあいつらの船長か。なんの用事だろうか。

「何だ……?」

「お前に用みてェだな、ルフィ。」

スタスタ、と私達のいるカウンターまで歩いてきた。サーキースと同じくらい背が高くて大きいな。見あげなきゃいけないのが面倒くさい。

「でっけー奴によく会うな、今日は。」

「おれに1番高ェ酒だ。それとこのチビにも好きなモンを。」

「…………ああ。」

続いて店に入ってきたのはベラミーの仲間達だろうか。さっきの人達もいるから間違いないだろう。騒がしく入ってくる。

「なにこの店。クサイ汚いクサイ汚い、よくこんなところで飲めるわね。」

「しかも安そうなラムばっか。」

「んん?何だ、満席じゃねェかよ……」

汚いしクサイのは下品な海賊達が豪快にお酒飲んでるからじゃないですかね。そんなに嫌なら出ていけば?しかも満席だからって近くにいた海賊達に手を掛けて無理やり席を空けさせてるし…最悪だこいつら。
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