第34章 夢を追う者
「オォイ!!おっさんっ!!!」
「オイオヤジィ〜〜っ!!!」
「ん?どうした。」
何何、どうしたの。さっきまでもくもくとご飯食べてたから静かでいいと思ってたのにこれか。しかも、隣の人と同じ反応してるし。
「「このチェリーパイは死ぬほどマズイ/ウメェな!!!」」
「「………………ん?」」
見事に隣の人とセリフが被った。いや、被ってるけど言ってることは真逆で。ピリピリとお互いをにらみ合い、同時に飲み物を飲む。
「「このドリンクは格別にうめぇ/マズイな!!!」」
いやいや…え?また被ったし、また真逆なことを言ってる。何このおかしな光景。
「てめェ、舌オカシイんじゃねェのか。」
「お前、頭オカシイんじゃねェのか。」
バチバチ、とまたお互いに敵対視して睨みつける。ここまで違う、だなんて珍しいけどそんなに違うだけで怒るようなもんなの?
「おっさん、おれ肉“50コ”お土産に。」
「オヤジ、おれァチェリーパイ“51コ”お土産に。」
「あ…やっぱおれの肉52コに。」
「わりィ、おれのパイ53コだ。」
「いや、肉は54コ。」
「パイ55コ。」
「肉60コ。」
「パイ70コ。」
「80コ。」
「100コ。」
「「何だお前やんのかァ!!?」」
「何でケンカなってんだお前ら!!!」
いや、何となくセリみたいになってたからどっかでキレると思ってたんだけど。第三者から見てたらこれは面白いんだろうけど、ケンカしない、面倒ごとを起こさないっていう約束をさせた身としてはヒヤヒヤする。
「ちょっとルフィ、約束忘れたの!?後ね、ナミからお金預かってないからお土産なんていっぱいは買えないよ!!」
今回の目的は食料調達ではなかったし、慌てて追いかけた形で上陸したからお金は持ってない。ナミのはね。だけど普通に考えて100個なんて数は買い占めるにもほどがある。