第34章 夢を追う者
「どこの馬の骨だ、その小汚ねェ奴らは」
「サ…サーキース様、お帰りなさいませ。いえ、これはその」
「言い訳はいいから早く追い出して!いくら払ってココ貸し切りにしたと思ってんの!?」
「その通りだ…オラ帰れよクソガキ!!」
「オイ、こいつぶっ飛ばしていいか?」
「ダメに決まってんでしょ!!!」
短気か!!帰れよクソガキって言われたことにカチン、ときたのか分からないけどそんな簡単にぶっ飛ばされて問題起こされても困る。
「フン…ハハ!!面白ェ奴らだ。このおれをブッ飛ばす!?それにしても貧相なナリだな。ホラ、これで好きな服でも買うといい。」
サーキースはジャララ、と私達の前にお金をばら撒いた。ざっ、と5万ベリーくらいはありそうだ。なんのつもりだろう。
「サーキース、もったいないわよコイツらなんかに。」
「ハハ…ケツでもふいた方が有効だったかな。」
これにはさすがに私もカチン、ときた。確かに高そうなコートを着てるあんたらには私達のラフな格好はみすぼらしく見えるかもしれない。でもそこまで貧乏なわけじゃないし、あんたらなんかに恵んでもらうほど生活には困ってない。今にもお金を拾いそうなルフィを叩いて手を引っ張り、出口へと歩く。もうここにはいたくない。
「何だ要らないのか?ハハハ、ハハハハハッ!!!」
笑い声をバックにリゾート地からまた騒がしい町へと移動する。あんな不愉快なところよりはこの騒がしい町の方がまだマシだ。私達は適当に酒場に入り、本格的に情報収集をすることにした。
「この『モックタウン』は、海賊達が落としてく金で成り立つ町だ。海賊達は稼いだ金を湯水の様に使ってってくれるからな。ケンカや殺しは“日常”だが、無法者達も町の人間には滅多に手を出さねェ。金があろうと接待する者がいなきゃ楽しめねェだろう?」
「なるほど…だけど、やっぱり気持ちよくはないな。やな感じ」
「ワハハッそう思うのがまともだろうな。だが、あいにくまともな奴の方がこの町では珍しい。4日もありゃ“記録(ログ)”は貯まるから、ゴタゴタに巻き込まれねェウチにここを出るんだな。」
「あはは…」
巻き込まれるというか、巻き込んでしまう奴がここにもいるんだけどね。しかしログは4日か。私達は空島へ行きたいわけだから、ログが貯まる前にここを出たい。その時、ダァン、と隣から机を叩く音が聞こえた。