第34章 夢を追う者
「…………あれ、何ここ…」
「あんまり騒がしくねェみてェだな。」
「………というか、ホテルじゃないかな。静かだし、キレイ。」
騒がしかったとおりの外れに来たみたい。あの町のように下品な海賊はいないし、何よりボロボロだった建物が嘘のようにガラッ、と変わってキレイだったのだ。ここだけだったらバカンスできそうな気がする。
「海に別荘があるのか。海上のリゾートだな、まさに。」
「しかし人がいねェな…うまそうな食い物の匂いすんだけどな。」
クンクンと誘われるように荘に向かっていくルフィを追って私達はリゾート地へと足を踏み込んだ。その時
「お!!お…お客様っ!!お客様困ります!!勝手に入って頂いては…」
めっちゃ頭を左右に振ってる男の人が現れたりこのホテルのオーナーかな。
「と…当『トロピカルホテル』、只今ベラミー御一行様の貸し切りとなっておりますので。」
か、貸し切り?こんな広いところを貸し切りだなんて、お金持ちにも程がある。それよりも足を踏み入れてしまったことに申し訳なくなる。
「ホテル?ホテルなのかここは…」
「べ…ベラ…ベラミー様に見つかっては大変な事になりますので、どうかすぐにお引き取りを!!」
「なんだよ、いいじゃねェか入るくらい。」
「ちょ、やめようよ!!困ってるじゃん。…すみません、今すぐ戻ります。」
まだ足を踏み入れようとするルフィの服を引っ張って撤退しようとする。しかし、撤退するのが少し遅かったようだ。
「オイどうした。」
「ヒエ〜〜〜〜〜〜〜!!!」
もたもたしてたらホテルを貸切ってたベラミー一味の人が帰ってきた。女の人と肩を組んでいるチャラそうな男の人がいた。しかもめっちゃ慎重高い。