第5章 旅立ち
ドバッ、と滝のように涙を流し始めたダダン。なんだかんだ言って、小さい頃からずっと一緒にいたんだもんね。寂しくなっちゃうなぁ。ルフィが出航まであと3年。…あと3年しかないのかぁ。私も少し、鍛えようかな。…せっかく、覚醒したんだから。
「すげーー!!!エースが名をあげた!!なまえーー!!見てみろよ!!海賊船も仲間達も写ってる!!すげーな、エースはすげーな!!な、なまえ!!!」
「ちょっ、ルフィ興奮しすぎ。ルフィだっていっぱい仲間集めて、海賊王になるんでしょ?エースを超えないとね!!」
「ししし!!当たり前だ!!!」
そして3年後
ルフィは17歳になった。色々あったけど、やっとここまで来たんだなぁ。なんか成長を感じるよルフィ……私もとりあえずこの3年間で特訓はした。実をいうと、あの後石の覚醒が鎮まってしまって能力が思うように使えなくなってしまったのだ。小さいからかな、まだ使えないのかも。なので、短剣やヨーヨーなど身近で戦闘に役立ちそうなものを特訓したのだ。後はルフィがあの時の約束を覚えているかどうかだ。まあルフィが誘ってくれなくても、帰る手掛かりを見つける為に旅に出ようとは思ってる。
「見送ってくれねぇのか?」
「村長とマキノはよくても、フーシャ村の奴らがビビっちますだろ。あたしらが山を下りたら…!さっさと行っちまえ!!」
「じゃあみんな今まで色々ありがとな!!」
「…そんな、照れるじゃねぇか礼なんて」
「ダダン!!おれ、山賊嫌いだけどよ!!」
「うるせぇクソガキ!!」
「お前らは好きだ!!」
「バカ言ってねぇで早く出てけチキショー!!どいつもこいつも!!」
ルフィはそう言ってさっさと山を降りていった。ルフィを見送ってから私は皆に向かって正座をした。今までいやいやながらも面倒みてくれた優しい山賊さん達に。
「皆さん、どうもお世話になりました。ルフィと私を最後まで見てくださってありがとうございます。……私達は旅に出るけど、皆さんお元気で!」
「なまえちゃん、そんな最後ぐらいかしこまなんなくていいよ!!」
「そうだそうだ、今更怒りゃしないし!」
あー、本当にみんな優しいなぁ。最初はちょっと怖かったけど、山賊でも人間らしいところをいっぱい見つけて、一人一人と仲良くなって本当に楽しかったな,