第5章 旅立ち
「サボからもおれは頼まれてんだ…約束だ!おれは絶対に死なねぇ!!お前みたいな弱虫な弟と、妹を残して死ねるか!!」
…あら、私も入れてくれたんだ。嬉しいなあ。
「おれは頭が悪ぃからサボが一体何に殺されたのか分からねぇ。…でもきっと“自由”とは反対の何かだ…!自由を掴めずにサボは死んだけど、サボと盃を交したおれ達が生きてる!!だからいいかルフィ、おれ達は絶対に“くい”のない様に生きるんだ!!」
「……うん。」
「いつか必ず海へ出て!!思いのままに生きよう!!誰よりも自由に!!それはきっと色んな奴らを敵に回す事だ。ジジイも敵になる!!命懸けだ!!出航は17歳!!おれ達は海賊になるんだ!!」
崖の上でまた約束事が決まったルフィとエース。きっと私よりサボとの距離は近かったはずだ。これからの修行は2人でやらせよう。私がいたんじゃ2人の夢の邪魔になる。それなのに相変わらず2人は私も誘って外へ連れ出そうとした。前までずっと続いてた100戦勝負の審判だったり、毒キノコと普通のキノコの見分けだったり。いいように使われていた気もするが、2人とも私を大事にしてくれていることは分かったし、私も2人に従っていた。なにより、兄弟として話してくれているのが嬉しかったのだ。その間にエースとルフィの独立宣言やらマキノさんが来たりとか、色々あった。マキノさんに挨拶の仕方を習ってたのを見たっていうのはココだけの話。
そして7年後…とうとうこの日がやってきた。エースの旅立ちだ。ダダンを抜いた山賊全員と、マキノさん、村長さん、そして私達で盛大に見送った。
「頑張れよー!!エース〜〜〜!!!」
「元気でね〜〜〜!!!」
「はは!!まだ手ぇ振ってる!!」
「…まったく、ガープの奴がなんと言うか…」
見送った後、ルフィは直ぐに森に入り修行を再開し始めた。私は家に戻り、ダダンさんに報告をする。
「エース、行っちゃいましたよ?」
「……あぁそうかい。結局ガープに怒られんのはあたしだよ…しょうのねぇクソガキだった。」
「あはは、エースから伝言預かってますよ〜」
「何を〜〜!?最後の最後まであたしに文句があんのかい!!?」
「世話んなった、ありがとうって。」
「ふざけんじゃねぇよ!!!バカが!!!」