第33章 ジャヤへ
「ほら銃弾!!飛んできた角度から見ても船の正面からだ!!」
「まだ見えてもいない島から狙撃を?チョッパー、それは無理よ。」
「だっておれ、ずっと見てたんだ。」
「ハハ…そりゃどんな“視力”でどんな“銃”でどんな“腕前”の狙撃手だよ。どっかで撃たれて偶然、今落ちたのさ。」
そりゃそうだよね…でもここはグランドライン、そのくらいの腕前を持ってる人がいてもおかしくないんじゃないかな。…いたとしても、こんなところにいないか。もっと新世界とかその辺だよね。
「うっは〜〜!!いいな〜〜!!いい感じの町が見えるぞ!!」
ルフィの嬉しそうな声で思考を中断して顔を上げる。目に入ってきた島は、あちこちにヤシの木みたいなものが生えてるし船の行き交いも盛んそうだ。
「ちょっとリゾートっぽいんじゃねェのか!?おいおい〜〜〜。」
「リゾート!?」
「ホント、ちょっとゆっくりして行きたい気分〜〜〜♡」
リゾートっぽいと判断したのは多分島のいたるところにヤシの木みたいのがたくさん生えてるのと、建物が南国っぽかったからだろう。つまり、ハワイっぽい町並みなのだ。しかし、私達に休息は与えてくれるわけもなく。
「しかし、港に並んでる船が全部海賊船っぽく見えるのは気のせいか?」
「も…もー、ウソップったら!海賊船が港に堂々と並ぶわけないじゃない?」
「ハハハ!!だ…だ、だよなー。」
気のせいではないとは思う。よく見ると確かに町並みはリゾートっぽいんだけど…地面代わりの板の床はバキバキに割れてるし、所々に剣がささってる。治安はあまりよろしくないと思われる。無法地帯なのかな…
「殺しだァ!!!」
「「「何なんだようこの町はァ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ…」」」
突如聞こえてきた殺し、というワードにビビり3人組は涙を流す。海賊ばかりが集まってて、比較的平和に暮らしてた私達がビビるのは仕方がないような町である。私もできる限り足を踏み入れたくはない。