第33章 ジャヤへ
「よォし野郎共、行くぞ!!!“肉の国”ジャヤへ!!!」
「「おう!!!」」
「夢見てんじゃないわよ。」
いつ肉の国なんて言ったんだ。今タコ焼き食べてんのにまだ食べたいの?あ、てかタコ焼き貰い損ねた。もうこいつは放っておいてサンジから貰いに行こう。
「あ、サンジ…」
「なまえちゃん♡おまたせしました、『レディ限定 未だかつてないタコ焼き』できたよ〜〜。」
「い、未だかつてないタコ焼き…?」
キッチンへとつながるドアを開けたところでサンジが現れた。手にはハート型をしたお皿にピラミッドみたいに積まれた6つのタコ焼きが盛り付けられていた。見た目かわいいし、なんだかそそられる臭がする。
「ありがとう!!」
3つあるお皿のうち1つを受け取り甲板に座り味わう。あ〜、熱いけど美味しい…ソースが濃厚でタコ焼きが柔らかいし…とりあえず幸せになった。
さっき夜になったことが嘘のように穏やかになった青空を仰ぐ。ポカポカしてて気持ちよく、眠くなってくる。
「まだか?ウソップ。」
「ああ、まだ見えねェな。」
「そんなに遠くはねェんだろ?あのサル男がさっきの地点を“ナワバリ”っつってたくらいだ。」
「ええ、気候もさっきからずっと安定してるから、おそらくもうジャヤの気候海域にはいるのよ。」
見張り台で双眼鏡を持ってるウソップにゾロが聞く。ボーッ、としてたから時間なんて分かんないけど、思ったより遠いんだな、ジャヤ。チョッパーと一緒にブラブラと足をバタつかせて目をつぶる。
「ジャヤはきっと“春島”だな。」
「そうだね、暖かいし。」
「春はいい気候だな。カモメも気持ちよさそうだ。」
次の瞬間、船の上を飛んでいたカモメ3匹がボトボトと音を立てて降ってきた。驚いて座ってた手すりから滑り落ちてしまった。
「わっ!!!」
「っああああああ!!!撃たれた〜〜〜!!」
「う……撃たれたってお前……!!銃声なんて聞こえてねェぞ。」
確かに音は聞こえなかった。だけど落ち方が撃たれたようにいきなりガクッ、となったのだ。撃たれた以外に垂直に落ちることなんてあるのたろうか。