第33章 ジャヤへ
「ナ、ミ…………」
「ごめんっ!!!」
意見を求めるためにナミに聞いたが、ナミの一言によってかき消されてしまった。え、ごめん、の一言?随分潔くて男らしいな。ウソップもそれを聞いて、そうなんだがなんか違う、と泣き出した。うん、言いたいことはわかるよ。しかしナミはすっきりした様子でカメを見ているから何も言えない。その時、ガクンと船が動いた。私はバランスを崩して倒れてしまう。
「痛っ……何!?」
「当然ね、ホースを断ち切らない限り…………船ごと深海へ引きずり込まれるわ。」
「いやぁあああかあ!!!」
「ロビン!!おめェ強ェんだろ!?何とかしてくれェ!!!」
「あれはムリよ…おっきいもの。」
「…冷静〜…」
「おめェもな!!!」
強いったってやっぱり能力に向き不向きはあるもんね。さすがのロビンも海王類相手じゃ無理らしい。なんて思ってたらウソップに怒られてしまった。
「野郎共!!!ロープを手繰り、園長(ボス)を救えェ!!!マシラ海賊団の誇りと名誉に賭けて〜〜!!!」
「「「「ウッキッキ〜〜〜〜〜〜〜!!」」」
「園長(ボス)はまだ生きている〜〜っ!!!」
「「「「「「ウッキッキッ!!!」」」」」」
猿人さんの船員達は私達があわててる間にも一致団結して猿人さんのロープを巻き上げようとしていた。
「…………………!!そうだ…こんな時だからこそ団結力が試される。」
確かに。ルフィ達は必ず生きてるし、なんか何もしなくても戻ってくるように思えてくる。だけど、ルフィ達がなるべく安全に帰ってこれるようにサポートするのが私達の役目だ。ウソップと目を合わせ、うんっ、と力む。
「ウソップ、なまえ!!!」
「「おウ/うん!!!」」
「ホースを切り離し安全確保。」
「嘘でしょ!!?」
「悪魔かてめェは!!」
「悪魔だ〜〜〜〜!!!」
がくっ、と力が抜ける。私達も猿人さんの船員さん達を見習って手繰り寄せるのかと思えば…まさかの自分の身安全第一だなんて。ナミらしいっちゃナミらしいけどさ…その時、目の前が真っ暗になった。気絶とかそんなんじゃなくて、夜みたいに暗くなってしまったのだ。