第32章 空への地図
「何とかなるわよ、くよくよしないの!!チョッパー、ブレーキしっかりね!」
「うん。」
「いやぁ、おれ行かなくてよかった。」
ウソップが隠さず本音を言ったが、私も同意である。しばらくして、船後方から軽快な音楽が聞こえてきた。
「サ〜〜ルベ〜ジ〜〜サルベ〜ジ〜〜♪サ〜〜ルベ〜ジ〜〜サルベ〜ジ〜〜♪」
笛とシンバル?が凄くうるさい。とくにシンバルに至っては1つでも頭に響くのに船員のほとんどが鳴らしてるのでもう爆音ものだ。すっ、と静かに耳を塞ぐ。
「全体〜〜〜止まれっ!!!」
「「「「「「アイアイサー!!!」」」」」」
「船が沈んだ場所はここかァ!!?」
「アイアイサー!!園長(ボス)!!」
「園長(ボス)!?つまりそいつァおれの事さ!!!引き上げ準備〜〜〜〜〜!!!沈んだ船はおれのもんだァ!!!ウッキッキー!!」
「「「「ウッキッキ〜〜〜〜!!!」」」」
………変な船。園長って、船長のことだよね?やっぱり掛け声掛けてた人が猿顔だから?っていうかむしろ猿…これが本当の類人猿?海賊旗があるから海賊なんだろうけど…船首は猿だし、海賊旗もバナナだ。やっぱり猿だ。
「また妙なのが出てきたわ、こんな時に…」
「おいお前ら、そこで何してる。ここはおれのナワバリだ。」
「ナワバリ?」
「そうとも…この海域(テリトリー)に沈んだ船は全ておれのものだ。てめェら手ェ出しちゃいねェだろうな……!!んん!!?」
縄張りって……動物の習性じゃなかった?猫とかそういう野生の。ここにとどまっておく系の海賊なのかな。
「あの人…サルベージするつもりらしいわよ…?」
「あ…ああ、そんな事言ってんなァ。」
「じゃあ何?これってチャンスなの?」
「分けてくれるかは謎だけどね。」
「ゴチャゴチャ言ってんじゃねーっ!!!おれ様の質問に答えやがれ、ウキーーっ!!!」
「すいません、質問してもいいですか?」
「おめェがすんのかよっ!!!」
私達がこっち側で相談してると、向こうが軽くキレた。こっちもこっちで先にサルベージしちゃってるから、バレたらヤバイ気がする。ナミが勇気を出して質問しに行ったが、今じゃない気がするよ。