第32章 空への地図
「…騒ぎ過ぎよ。これはただの“可能性”に過ぎないわ。世の中にはウソの地図なんていっぱいあるんだからっ!」
確かに。これを鵜呑みにして、危険をおかすことはない。そもそもどうやって空に行くのかもまだ分かってないというのに…ルフィ達はもう信じきってるから私達がしっかりしないと、何より私達の命の危険が…なんて思ってると、とても重々しい空気を感じ取り隣を見る。バカ3人がこの世の終わりか、というような顔をしていた。
「あ………ごめん。あるある…きっと…あるんだけどっ。行き方が分かんないって話ししてんのよ!!!」
「航海士だろ、何とかしろ!!!」
ナミもそれに居心地が悪かったみたいで反射で謝っていた。別に悪いことは何も言ってないし、むしろ正論だったんだけども。中々話が進まないことに苛立ってきたのか、ナミが船にガツン、と当たる。
「何とかなるもんとならないもんがあるでしょ!?」
「関係ねェ!!空に行くんだ!!!」
珍しくルフィがナミと言い合いをしてる。いつもナミに一喝されたらおずおずと下がるのだが…今回の島は空ときた。幻に近い島が相手となると、ルフィも簡単に下がるわけにはいかないようだ。まぁ結果はナミに殴られて沈められるわけだけど。
「…ラチがあかないわ!とにかくこれじゃ船の進めようがない…!!だって指針は“上”を向いてるんだもん。今必要なのはロビンの言うとおり“情報”よ!!あんなでっかい船が本当に空へ行ってたんならこの船が行く方法だって必ずある!!!何とかしてさっきの船に残ってるハズの記録を引き出しましょう!!」
「でも船はもう完全に沈んじまったぞ。」
「沈んだんならサルベージよっ!!!」
「「よっしゃあああ!!!」」
「できるかァ!!!」
サルベージ?なんそれ。チョッパーも知らなかったみたいで、ロビンに解説を求めていた。沈没船の引き上げ作業のことらしい。あれを引き上げるの…?大きすぎて、何か機械みたいなものがないと無理じゃない?