第1章 トリップのはじまり
そう前置きをしてこの現状を説明してくれた。ここの世界ではだいたい50年に一度、ここではない世界から人がやってくるらしい。私みたいにトリップしてね。それは空白の100年と言われる謎の1つらしいが、最近その異世界人が仲間になった海賊船は世界に知れ渡るほど力を伸ばすらしい。それが前の異世界人が乗っていた、海賊王ゴールドロジャーおよびそのクルーも含め全海賊からデータが出たらしい。これ以上増やすわけにはいかない政府は次の異世界人が来たタイミングで捕獲することに決定した。その次の捕獲が私というわけだ。それに加えて異世界人は毎回悪魔の実の能力以上の強大な魔術を使うようで、また別の意味でも政府、海賊に目をつけられているとか。
「……………というわけだ。帰る方法は俺にもわかんねぇ。ただ、最悪のタイミングでなまえが来ちまったことは変わりねえ。」
「‥そんな、私はここに来た瞬間からお尋ね者ってことですか?」
「………そういうことになるな。…いいか、おれの言う通りにしろ、命がおしかったらな。まず、お前が異世界からきたってことは誰にも言うな。これ以降だ。それから、お前はまだ自覚してないみたいだが、必ず化物じみた能力を持っているはずだ。それもあまり使うんじゃない。政府にバレると速攻で攻めてくるぞ。守れるか?」
「…………はい。……あの。」
「ん?なんだ?」
政府にバレているはずない私の秘密を、どうしてこうも詳しくアドバイスできるだろうか。シャンクスは敵ではないとはわかっているものの、どういう立ち位置なのかだけは確認したかった。
「…あの、なんで…なんでそんなに詳しいんですか?」
「………ココだけの話な。俺は………海賊王のクルーだったんだ。」
「………あ、あ、そっか。そうだった。」
ついうっかり、こんな大事なことを忘れるなんて。私としたことが。そうだった、シャンクスはゴールドロジャーの海賊見習いとしてバギーと一緒に乗っていたんだった。じゃあ、そこで一緒に乗っていたっていう異世界人の情報も手に入れられるかも。
「あの、異世界人も乗っていたんですよね?どんな能力とか、教えてもらえますか?」
「アイツは言ってた。異世界人によっても、能力は違うんだと。アイツが自ら奪った異世界人ファイルにそう書いてあったって。異世界人が持つ能力は大きく分けて‘色,と‘覇気,だ。」