第32章 空への地図
「あ!!!」
「どうしたナミさん!!?」
ナミの悲鳴が聞こえて、サンジが瞬時に反応した。さすが、ナミさんレーダーでもついているのだろうか。というか、ナミが悲鳴を上げたときって大体ログについてだから、不安でしかない。
「どうしよう、“記録指針(ログポース)”が……!!!壊れちゃった!!上を向いて動かない…!!!」
またログポースが壊れた?そんな簡単にログポースって壊れるもんだっけ。というか、上を向いてるってどういうことなんだろうか。
「!……違うわ。…より強い磁力を持つ島によって新しい“記録(ログ)”にかきかえられたのよ…………!!…指針が上を向いているなら、“空島”に“記録(ログ)”を奪われたと言う事…!!!」
「………空、島……」
空島って…空に島があるってこと?浮いてるの?雲の上に?…なんか某アニメみたい。そんな夢のような島があるのか…
「浮いてんのか、島が!!!」
「あの船やガイコツはそこから落ちてきたのか!!だが空に島らしきモンは何も…」
「そうじゃないわ…正確に言うと、浮いているのは“海”。」
「海が!!?」
海、海ってなんだっけ?今船が浮いてるのは海じゃないの?空に海があるってどういうこと?もうひとつの海があるということなの?…無理だ、考えすぎて脳がパンクしてしまう。
「空に海が浮いてて島があんだな!!?よし、すぐ行こう!!!野郎共!!!上に舵とれ!!!」
「上舵いっぱーい!!!」
いや、上に舵は取れないだろ。というか、どういうものかまだ分からないし、あるかどうかより情報がほしい。とりあえずルフィには黙ってもらおう…と思ったらロビンの手によってルフィの口は塞がれていた。
「正直私も“空島”については見た事もないし、たいして知ってるわけでもない…」
「そうでしょ!?有り得ないことよ!!島や海が浮かぶなんて!!やっぱり“記録指針(ログポース)”が壊れたんだわ!!」
「いいえ航海士さん…今考えなきゃいけない事は“記録指針(ログポース)”の故障箇所ではなく、空へ行く方法よ。この船がたとえどんな怪奇な事態にのみ込まれようとも…たとえどんなパニックに陥ろうとも…“記録指針(ログポース)”だけは疑ってはいけない。これは鉄則よ。この海では疑うべきものはむしろ頭の中にある“常識”の方。その指針の先には、必ず島がある。」