第32章 空への地図
「「「「「うううわああああ!!!!」」」」
幸いなことにその巨大なガレオン船はメリー号の横に落ちてくれたが、落ちたことにより大きな波が発生して飲み込まれそうになる。というか、体がメリー号から浮いてしまう。
「捕まれ!!!船にしがみつけ!!!」
「何!?これ何!!?ねぇ何!!!?」
「夢っ!!!そうさこれは夢っ!!!」
「夢!??よかったァ!!!」
夢なわけがあるか!!現実逃避も程々にしないと死ぬ!!みんながパニックを起こす。
「まだなんか降ってくるぞ、気をつけろ!!!」
「舵きって舵を!!!」
「きくかよこの波で!!!」
どうしようどうしよう!!何か行動をしないと、メリー号が波に飲み込まれてしまう。船がひっくり返ることだけは避けたい。
「案ずることなかれ。こうやって落ち着いて目を閉じて、そしてゆっくり瞼を上げると…ほーーら、そこには静かな朝ギャ〜〜〜〜〜〜〜ッ!!!!!」
「ああああ人骨〜〜〜!!」
「バカ、投げないでよ!!!こっちに!!!」
「ガ!!ガイコツ…っ!!!」
「また落ちてくるぞ〜〜〜!!!」
ガイコツ怖いし、波は怖いし、何降ってくるかも分からないから怖い。現実逃避するわけじゃないけど、少しでもこの恐怖とパニックを落ち着かせるためにギュッ、固く目をつぶる。
モノが落ちてこなくなって、波が落ち着いてきた。私達とメリー号はとりあえず無事だ。まだ余韻でブルブルと体が震えている。
「何で…空から船が降ってくるんだ…!?」
「奇っ怪な…!!」
「空にゃ何にもねェぞ…」
ゆっくりと空を見上げる。船が降ってくる前の青空が広がってる。何か上にあるわけではないし、雲がかかってるわけでもない。どういう現象…?グランドライン分からない。