第32章 空への地図
「……………おい、お前はどっちだ。」
「……ん〜…どっちも?」
「何だその曖昧な返事は。」
「だって…怪しいけど、敵意は感じないから…不安だけど、新しい仲間が増えたことも嬉しいし。」
どっちだと言われたら困ってしまう。ロビンのことを信用してる?と言われたらまだそこは信用できないけど。これからどう冒険を一緒にするかによるよね。でも、敵意を感じないのは本当で…何もなしにここに入ってきたように見えるけど、私にはちょっと困ってるようにもみえる。その説明をしろと言われたら困るんだけどね。ゾロはそれ以上詮索してこないから、納得はしてないんだろうけど妥協はしたらしい。
「……………いいわね。……いつもこんなに賑やか?」
「えっ、あ……うん、まぁ……もっとうるさい時もあるけど。」
「そ。」
いきなり話しかけてきたから少し驚いてしまった。だけど、ロビンの顔は本当に楽しそうで…やっぱり、アラバスタのことは水に流すわけではないけど仲間になれそうだな、なんて少し思った。
「航海士さん、ところで…“記録(ログ)”は大丈夫?」
「西北西にまっすぐ♡平気よ、ロビン姉さん!」
「………宝石貰ったんだね、ナミ…」
明らかに態度が違いすぎるナミに苦笑いになってしまう。どれだけ宝石があったかは分からないけど、この宝石で今までのことをチャラにしてるような気がする。
「ナミ、次の島は雪が降るかなァ。」
「…あんたまだ雪みたいの。」
「…アラバスタからの“記録(ログ)”をたどると、確か次の島は“秋島”よ。」
「秋かァ!!秋も好きだなー!!!」
「春は?」
「春も好きだ!!」
「……夏。」
「好きだぞ!!」
「季節全部好きじゃん…」
まぁ全部の季節好きなのはいいことだよね。私は夏が嫌いな人だけど。なんて下らない話をしてると、コツン、と小さなものが落ちてきた。快晴で順調だったのにひと雨くるのかな、なんて上を見上げてみる。
「………え、木くず?」
「……なんだ?何か降ってく…」
みんなが降ってるものに反応して上を見上げる。みるみる頭上が暗くなってきて…青空が広がってるはずの景色が、まったく想像だにしてなかったもので埋まる。何が落ちてきたのか…それは……巨大なガレオン船。