第32章 空への地図
「軽くあしらわれちゃって情けない。どうかしてるわ!!今の今まで犯罪会社の副社長やってたその女は、クロコダイルのパートナーよ!!?ルフィの目はごまかせても私はダマされない…妙なマネしたら私がたたき出すからね!!」
「フフ……ええ…肝に銘じておくわ。そういえば、クロコダイルの宝石少し持ってきちゃった。」
「いやん♡大好きよお姉様っ」
「「おいおいおいおい。」」
ナミはウソップと同じくらいロビンを警戒していた。この間まで敵だったのに、っていう考え方は私と一緒だな…しかし、ロビンが懐からジャラ、と音を立てて宝石を出すと…凄い変わり身の速さで懐いた。
「ナミがやられた!!」
「悪の手口だ。」
どんどんと仲間がロビンのペースに持っていかれる。さすが大人、みんなの扱い方を瞬時に読み取るなんて…
「ああ恋よ♡漂う恋よ♡僕はただ漆黒にこげた体を、その流れに横たえる流木…雷という名のあなたの美貌に打たれ、激流へと崩れ落ちる僕は流木…おやつです♡」
「まぁ、ありがとう。」
なんかモアっ、とする甘い風が通り過ぎたと思ったら…恋するサンジがいた。流木?いや痛すぎだろ…確かに動きは流木だったけども。見てるこっちは胸焼けしそう。
「あれは当然ああだしな。」
「ああ、あれはもう最初からナシの方向で。」
「おれ達が砦ってわけだ。」
「まったく世話の焼ける一味だぜ!!!」
残ったのはウソップとゾロ。二人は確かにこういう警戒心は強いし、心揺さぶられることも少なそう。しかし…
「ウソップーー!!」
「ア!!?」
「チョッパー。」
「ぷぷーっ!!!」
ルフィに呼ばれて力んでたウソップが逞しい返事をして振り返った。ルフィは頭にロビンの手を生やしており、チョッパーのような真ん丸な目をして笑いを誘いに来た。似てるといえば似てないけど、不思議な面白さがあり、元々ルフィとチョッパー仲良し組なのですぐに笑いに加わってしまった。