第32章 空への地図
「あ!…何だ、お前じゃねぇか!!生きてたのか。」
「そういう物騒なもの、私に向けないでって前にも言ったわよね?」
戦闘態勢に入ってたゾロとナミの武器が叩き落とされる。あのときは分からなかったけど、今なら分かる。悪魔の実の能力だ…証拠にゾロ達の体から肘から下の腕が出てきて、その手で武器を叩いたのだから。
「あんたいつからこの船に。」
「ずっとよ。下の部屋で読書したりシャワー浴びたり。これ、あなたの服でしょ?借りてるわ。」
本当だ。ナミの服が…サイズ大丈夫だったなんて凄いな…ってそんなことはどうでもよくて。ずっとっていつからよ。もしかしてボンちゃんがいるより前にメリー号に乗り込んでたりして。敵だった船で勝手に服着て本読んでお風呂入るなんて…凄く余裕があるな。
「モンキー・D・ルフィ。あなた私に何をしたか…忘れてはいないわよね…?」
「な…ナニっておいルフィてめェ、キレーなお姉さんにナニしやがったんだオォ!!?」
「速やかに船を降りナサーイ。」
ナニしたって聞き方はよくないんじゃないかなサンジくん。でも、ルフィはよく分からないという顔をしてるし……というか、敵が船に乗っているっていうのに気を許しちゃってる顔をしてるのかが不思議でたまらないんだけども。
「おいお前!!ウソつくな!!おれはなんもしてねぇぞ!?」
「いいえ、耐え難い仕打ちを受けました。責任…とってね。」
「意味わかんねぇ奴だな。どうしろっていうんだよ。」
サンジにずっとガクガクされてて息が少し乱れたルフィが言った。責任を取る、とはどういったことだろうか…ものによっちゃ大変なことだぞ。
「私を、仲間に入れて。」
「「「「「は!!?」」」」」
仲間…仲間に!!?うん?ちょっとまってよ。つい3日前まで敵だったんだよね?そんで今度はこの麦わらの一味の仲間になりたい?B・Wがなくなっちゃったから居場所がないとか…?でも居場所がないだけの理由でここに入ってくるくらい気の弱い人には見えないんだけども。
「死を望む私をあなたは生かした…それがあなたの罪…私には行く宛も帰る場所もないの。だからこの船において。」
「何だ、そらしょうがねぇな。いいぞ。」
「「「「ルフィ!!!!」」」」