第31章 またね
下に降りたらみんなはもうカルガモ部隊に跨がっていた。早くサンドラ河につくことができそうだ。夜の砂漠はやっぱり寒く、少し冷える体をさすりながらキレイに見える月を見上げる。
「んー…快適だ。」
「砂の国ともお別れか…おれ様を筆頭に大変な戦いだったなァ…おいルフィ、いつまで食ってんだ。」
「アラバスタ料理は最高だぞ。サンジ、今度作ってくれよ。」
「あぁ、おれも興味あってな。テラコッタさんにレシピを貰ってきた。香辛料も少しな。」
流石すぎる。あの食事でコックさんに聞いてたのはそういうことだったのか。そういえば、お風呂にあったリンス凄くいい匂いだったな。少し分けてもらえばよかった。
「リンスやシャンプー、香水とかも少し貰ってくればよかったね、ナミ。………ナミ?」
隣を走ってるナミはフードを深くかぶって、少し切ない顔をしていた。…どうしたんだろうか
「……ナミ?具合が悪いのか?」
「ナミィ!!肉一個やろうか。一個だけ!!」
みんながナミを気にかける。私からしてもナミは、ビビと一番距離が近かったように思えた。多分、ナミも心の中ではビビとの別れを覚悟してるのではないだろうか。
「………ナミさん…ビビちゃんの事だろう…?気持ちは分かるよ……でも……考えたって始まらねぇ…そりゃ、あれだけ仲良くしてたんだもんな……だけどホラ、顔を上げなよ…」
代表してサンジが努めて優しくナミに話しかける。いや、サンジはいつも優しいか。ナミとビビが仲良くしてたことはみんな分かってたみたいで……なんかちょっと寂しい気もするけど…
「私…諦める…ビビの為だもんね…10億ベリー。」
「「「っったりめェだァ!!!!」」」
「金の話かよ!!!」
「うわ〜!!ウソップが落ちたァ!!」
「ナミ!!てめェ紛らわしいマネしてんじゃねェぞ!!!」
「?なに騒いでんの、あんた達。ビビの事なら心配したって仕方ないでしょ?」
「おい!!ウソップが落ちた!!」
「放っておきなさいって……」
「お前のせいだろ!!」