第31章 またね
「ねぇボンちゃん!!今どこにいるの!?」
『その声は黒髪ちゃんね!!名前呼んでくれてあちし感動!!』
…黒髪ちゃん?確かに名前言ってないから分からないんだろうけど…まぁナミはオレンジ髪だし、ビビは水色髪だからな…って何の話だ。
『今あちしはアンタ達の船を操縦してサンドラ河の上流にいるわ!!また、会いましょ〜〜う!!!』
ガチャン…
「……あ、切れちゃった。」
言いたいことだけ言って切ったぞ。でもとりあえずいる場所は分かった。
「…………信用できるか?」
「一度は友達になったんだけどなー。」
「お前ならまたなれそうで恐ェよ。」
「……でも行くしかないぞ?」
「そうだな、船を取られてる。おれ達をハメようってんなら…そん時ァブチのめすまでだ。」
「そうと決まりァさっさと仕度だ…」
友達じゃなくても友達だとしても船を回収しに行かないと私達が困ってしまう。それを知ってか知らないでかわからんけど…何でまだ関わろうとしてんのかが理解できない。B・W側は負けたというのに。
「ねぇみんな。」
各々ここを出ていく仕度をし始めた時、これまで黙って成り行きを見守っていたビビが声を発した。
「……ねぇみんな…私……どうしたらいい……?」
ビビは置いていくのか連れて行くのか。本音としてはまだ一緒に冒険していたい。だけど、ビビはこの国の王女だ。平和になったけど、3日前までは反乱が起きてて、まだ安定していない時期。ビビだってそれは分かってるんだろうけど…聞くしかないんだろう。
「よく聞いてビビ。『12時間』猶予をあげる。私達はサンドラ河で船を奪い返したら、明日の昼12時ちょうど!!『東の港』に一度だけ船をよせる!!おそらく停泊はできないわ……あんたがもし…私達と旅を続けたいのなら、その一瞬だけが船に乗るチャンス!!その時は…歓迎するわ!!海賊だけどね……!!」
12時間…多いようで少ない。寝てしまったらあっという間だよね。少し切ないようななんとも言えない気持ちが体をグルグルと回ってる。
「君は一国の王女だから、これがおれ達の精一杯の勧誘だ。」
「来いよビビ!!絶対来い、今来い!!」
「やめろってルフィ!!」
「行くぞ。」