第31章 またね
「誰も知らねぇぞ…………」
「まァ…話してみよう。」
「ワナかも知んねぇぞ、やめとけ。」
「その可能性はあるな…なまえちゃん、ワナだったら危ないからおれに貸してくれ。」
「え……うん。」
サンジに受話器を渡して出てもらうことにした。海軍だったら、私達が麦わらの一味じゃないことを誤魔化さなくちゃいけない。その話術が私にはないから。受話器を取った瞬間、耳をつんざく声が部屋に響いた。
『モシモシィ!!?モッシィ!!?がーーっはっはっはっ!!!あァちしよォ〜〜〜う!!!あ、ち、シ〜〜〜〜!!!』
ガチャン…
うるさい。サンジが無言で受話器を置くのが分かる。この声、喋り方はMr.2だ。そうだね、こいつMr.2ボン・クレーだからボンちゃんか。
ジリリリリリリ
「何だよ!!!」
サンジに無断で電話を切られたのが気に入らなかったのか、凄い形相でまた電話がかかってきた。今度はルフィが受話器を取る。
「おう、オカマか!?おれ達に何か用か?」
『アラ!?その声は“麦わら”ちゃんねーい!!?アンタ達強いじゃなーい!!?あちしびっくらコイたわ!!そーそー“Mr.2”ってあちしの事呼んじゃダメよ。電波が海軍に捕まったらあちし大変だから!!』
「今自分で言ったぞ。」
「要件を言え。」
『あ…そうそう。アンタ達の船、あちしが貰ったから!』
「「「「フザけんな!!!」」」」
1言話すごとにいちいち騒がしい人だな。というか、要件を忘れるって何?しかもその要件、私達にとっちゃ死活問題なんだけど!!
「この野郎、ジョーダンじゃねぇぞ!!今どこだ!!」
『アンタ達の船の上ェ〜〜〜〜〜』
「よりによってコイツ…………!!!」
『違〜〜〜〜うの、違〜〜〜〜〜うのよう!!!あちし達…友達ジャナ〜イ?』
友達は船盗ったりしないよ!!本当に何がしたいんだこの人は。確かにアラバスタにつく前にルフィ達と仲良くなってた、友達と言ってもいいくらいにね。だけど、結局敵だったわけで。
とりあえずどこにいるかだけでも教えてもらわないと、私達が取り残されてしまったら出航できない。