第31章 またね
「ごめんみんな。ありがとう。」
心配をしてくれたという嬉しさと、申し訳無さから謝罪をした。みんなからは怒りは感じない、本当に心から心配してくれたんだ。しばらく心地よい沈黙が流れた。その沈黙をやぶったのは盛大にお腹を鳴らせたルフィだった。
「よし、なまえも帰ってきたしメシ食いにいこう!!」
大きな机にコブラさん、イガラムさん、チャカさんが並んで座る。私達は好きな席に各々座り、次々と流れてくるご飯にかぶりつく。
おにぎりやオムライスなど一般的な料理はもちろん、アラバスタ特有の料理も出ていて飽きが来ない。3日も寝てたっていうルフィもそうだが、私もすごくすごくお腹が空いていたので人目も気にせずがっついてしまう。しかし、ルフィはともかく隣のウソップまで机に足をかけるという行儀の悪さで、この神聖な宮殿に合わなすぎておかしかなってくる。
「早くくえ、なくなっちまう!!」
容赦なく色んなところに伸びてくるルフィの手は、私達のお皿からご飯をかっさらっていく。3日分のロスを取り戻そうとしてるのだろうか、私のお皿からも取りに来る始末。
「見てろルフィめ。常備タバスコ星だ。」
1番被害にあってるのは、ルフィの目の前に座ってるウソップであった。あのMr.5が悶絶したタバスコ星をお皿の上のおにぎりに垂らし、仕掛けをする。ウソップの思惑通りルフィはおにぎりを持っていき口の中に入れ……
「ボオオオ!?」
辛すぎて口から火を出した。火と共に口の中に入っていたカスも飛び、とても汚い。しかし、そんな間抜けな姿のルフィも面白くて、ウソップと共に大笑いしてしまう。
食事も後半になって、ルフィの勢いも落ち着いた頃。普通だったら食事が終わり、お腹を抱えて満足するのだろうが私達は違う。ルフィとウソップとチョッパーが机の上に乗り、芸を披露する。ビビはもちろん、コブラさんや宮殿の兵の人達も巻き込み、気づいたらみんな笑顔だった。楽しい、みんなこの日のために生きてるんだな、なんてしみじみと思った。何故かわからないけど鳥肌が立った。