第31章 またね
「なまえ。」
「………何?」
「お前、今度からおれの許可なしでどっか行くの禁止な!!」
「えっ!?」
ゆっくりと、噛みしめるように私の名前を呼んだから何を言われるかと思えば。ついに言われてしまったか…私結構自由に動いてたからなぁ。いつか言われると思ってはいたんだけど…
「しょうがないわ。ルフィはなまえのことをすっごく心配してたんだから。」
「心配どころじゃねぇぞ、あれは。病気だ、病気。『なまえがいねぇと死んでしまう病』。」
「なまえさん!!あなたあの爆発でどうやって……!!」
「はぁ……心配させやがって……」
「なまえちゃん!!よかった、無事に帰ってきてくれただけでおれは……」
「なまえ〜〜〜〜いぎでだ……!!!」
とりあえず、よかった。みんな大喜び…うん、大喜びで私を迎え入れてくれた。ルフィの船長命令は聞いてなかったことにして、私はみんなにあの爆発の後のことを話した。結局爆発手前で処理をしてくれたのはペルさんだったということ、私は爆風でアルバーナの外まで飛ばされたということ。話を聞いて驚いたのは、あの爆発から3日経っていたということだ。3日もあの砂の上に寝てたというのか、最悪だ。喜ばしい報告も多数あった。ルフィがクロコダイルに勝ったこと、アラバスタに雨が降ったこと、反乱は止まったこと。やっとこのアラバスタに平和が戻ったと聞いて、自分の事のように喜んだ。これでビビはずっと笑っていられるんだ。
「よかったね、ビビ。みんなもお疲れ様!」
「…なまえさん、あなたのおかげよ。あの時爆弾を上空へ運んでくれなかったら……ペルが来てからじゃどうなってたか……」
「いや〜〜、あの時はヒヤッとしたぜ……」
「本当よ、いきなり爆弾処理してくるって言って飛んでっちゃったんだもん。」
「もしかしたら……って不吉な予感がしたぜ。」
どうやら私のあの覚悟はみんなにも伝わっていたらしく、無駄に不安を煽ってしまったことに反省する。特にルフィなんか私が帰ってくる数分前に目覚めて、私のことを聞いたらすぐに部屋から飛び出そうとしてたらしい。みんなは1日寝て、後は航海に向けての買い出しをしがてら私が生きているという希望を持ちながら町中探していてくれてたという。