第31章 またね
「あの、」
「…ん?なんだね君は。」
あぁ、そっか。私とチャカさんは初対面だ。私が話しかけたところでルフィ達の仲間だってことは分からないか。
「ルフィ達います?私、仲間なんですけど…」
「ルフィ君の…………仲間?…もしかして君っ!!なまえちゃんか!?」
「えっ、あっ、そうです……けどっ!?」
少々食い気味でチャカさんの態度が変わった。驚いてるようにも見える。肩を抱かれて、ルフィ君達が心配してたぞ!!と部屋へ案内してくれた。案内してからすぐにチャカさんは「海軍を追い返す役目があるのでね」と門へと逆戻りして行ったが、私はまだドアを開けないでいる。ここの中にルフィ達がいる……驚くかな、心配させてるよね。どんな顔でただいま、と言おうか。その時…
「じゃあまた夕食の時に呼びに来るね。」
イガラムさんにとても似た顔の女の人がドアを開けて出てきた。びっくりして固まってしまったが、これでドアは開いた。
「ん?どうぞ、入るんだろ?」
と、女の人はドアを開けっぱなしにしてくれた。お礼をいい、部屋に入る。ベットにはルフィがいて、みんながルフィを囲むように立っていた。うう…入りにくい。私がなんと声を掛けようか考えあぐねてると…女の人が前に立った。私を見てウインクし、私に任せなと言った
「ビビ様、お客さんだよ。」
ビビがこっちを向いた。私と目があって、固まった。ビビが不自然に固まったのを見て、不思議に思ったみんなもこっちを向いた。
「「「「「なまえ!!!?」」」」」
「………あ、…どうもっ……!?」
やはりなんと言っていいか分からず、曖昧な返事をする。言葉を発したその時何かに勢いよく抱きしめられ、私の言葉は途中で切れた。視界には赤。その人物は1人しかいない。
「………ルフィ?」
「よかった。なまえが生きてて…」
ぎゅっ、と更に力を込められる。私には少し苦しいが、ルフィの温もりを感じて今更『生きてた』ってことを実感する。死ぬかもしれない、なんて思ってたもんなぁ…