第31章 またね
「クソ!!何てこった………!!!『砲撃』を止めたのに『砲弾』が…」
「時限式!!?」
「直径5kmの破壊力がありゃあ…結局広場も町も助からねぇぞ!!!」
「どうなっちまうんだよ!!!広場爆破の阻止なんて…始めから無理だったってのか!!?」
ここまで探させといて…爆発も止めたのに時限式?なんて姑息で卑劣で……用意周到過ぎるんだ。私達はこれで完全に爆発が止められると思ってたのに…そこをつかれたんだ。確かにクロコダイルは頭がいいし、行動力がある。だけど、ここまでバカにされて遊ばれたら………力が抜けて脱力をする。
時限式の爆弾を止める方法なんてある?水をかければあるいは…駄目だ、それの衝撃で爆発してしまったらみんなが爆発に巻き込まれてしまう。じゃあその爆弾をここから移動させる?……どうやって。馬で運んでも限界があるし、爆弾するまでそんなに時間もないはず。じゃあ空。真上に爆弾を放り投げれば1番距離を離せて、もしかしたら怪我人も出さないんじゃ。……そうだよ!!空に持っていけばいいんだ!!………だけど、それにはリスクを負わないといけない。仮に真上に爆弾を持っていけたとして、ギリギリに爆弾を放り投げて持っていった人は逆戻りをすれば…でも、その時間ギリギリに離れられる保証もないし……それをやれる人は誰?
ざっ、と周りを見てもここで唯一自由に空を飛び回れるペルさんは見当たらない。一緒に探してたのに何で…見えなかったか、他に大事な用事があったか……流れ弾に当たったか。じゃあここにいるメンバーで空を飛べるのは
……私だけ?
でも、私は氷で垂直に飛び上がれない。………いや、私の能力は氷だけじゃない。水もある。足の裏から出力100%でいけば真上に勢いよく飛び上がれる。……ここまで私は大した功績を残してない。今回B・Wのオフィサー・エージェントをバラけさせる作戦を考えたのは私だけど、結局力が敵わずサンジに託すことになった。ビビには散々仲間がどうとか、その考えを改めたほうがいいとか言ってきたけど…今ビビはいい方向に変わってきてる。変わってないのは……私の方だ。
「……………はぁ、…はぁ……」
私がやるのか。やらないといけない。でも怖い。今回は本当に死ぬかもしれない。だけど…と、繰り返してるうちに息が荒くなってくる。情けない。情けないけど、精神はまだ平和ボケしてるあの頃の私なんだ。