第30章 タイムリミット
「先行くわ!!!」
「散り散りになれ!!とにかくまず塵旋風の外へ出るんだ!!」
みんながウソップの言うとおり別れた。今度はゾロとウソップ、ナミとチョッパー、ビビとペル、私はサンジとだ。しかし、サンジの足が早いのなんのって…水で滑ってなければ追いつかなかったぞ。
「直径5km吹き飛ばす砲弾か…!!!」
「ねぇ!!やっぱり広場の近くじゃないかな…」
「……やっぱりそうか?デケェんだろうな………それを大砲で飛ばすとなると…飛距離も落ちる…!!」
「戻るとしてもあと4分だよサンジ!!!」
「んがァ!!!回り込んでる時間はねぇぞ!!!」
「ごめん、私空から探す!!!」
「え………空から?」
お願い、氷の能力発動して!!手から水ではなく今度は氷を…ペンダントが光った!!手からはちゃんとした氷が出た。すぐ消えてしまうだろうが、私が滑る余裕があればそれでいい。
「じゃあまた後で!!」
「………氷!?」
しっかり氷の上を滑って上空から見下ろす。塵旋風がやばくて、上からでもほとんど見えない。建物の中なんてもっと見えない。これで本当に4分以内で探せるのだろうか…いや、絶対見つけないといけないんだ。なるべく目を細めて建物の中まで見るように意識をする。
その時、上空に赤色の弾が上がった。ウソップのものだ。誰か砲撃手を見つけたのだろうか。とりあえず砲弾の近くまで来たけど、塵旋風のせいか下が見えない。1回降りたほうがいいだろう。ちょっと斜めに方向転換して慎重にゆっくりと降りる。多分この砂の王国では、垂直に氷を走らせると落ちてしまう。出した氷の半分はもう水となってでてきちゃうから。降りることはもちろんだけど、真上に上がることもできない。時間のロスになっちゃうけど、仕方がない。塵旋風の中に入り、地面にやっとこさたどり着く。でも、ここはさっき弾がとんだ場所だのに誰もいない。もうみんな移動しちゃったのかな…
カサ…
音がして下を見ると、紙がおいてあった。こんな戦場のど真ん中に置いてあるなんて…と思って読んでみるとその紙には『時計台』と書いてあった。これは多分ウソップの字だろう。時計台はすぐそばにある。きっとみんな時計台の下にいるんだろうか。急いで走って時計台の下へと目指す。