第30章 タイムリミット
「………ビビ!!」
「なまえさん!!…トニー君、サンジさん!!」
ここは集合場所の宮殿か。どうりでビビもいるわけだ。ペルさんもいるな。他のみんなはまだついてないんだろうか。
「オ〜〜ビビちゃん。なんてこった、こんなに傷ついて。」
「ウソップ〜〜〜〜っ!!!」
「ボゲェ!!!」
いきなり後ろからウソップを打った。めちゃくちゃ怒ってるナミがゾロと一緒にやってきた。いや、でもウソップのこの怪我を見て!?ヤバくない…いや、ゾロもヤバイほど大怪我だった
「誰が宴会の小道具作ってって頼んだのよっ!!!」
「立ってんじゃねぇかてめぇ!!!」
ゾロのお腹のあたりがドクドクと血が流れてて立ってるのが不思議だ。ついさっきまでナミを背負ってたのだと考えると化物だ。
「ビビ!!事態は!?この塵旋風、一体何なの?」
「……多分、クロコダイルのせい。だよねビビ……」
「悪ィみんな。おれ、あいつにいっぺん負けちまったんだ。」
少し泣きそうになってるビビの元へナミがやってきた。多分、相手の顔が見えないように仕組んだクロコダイルのせいだろう。ビビに返答を求めたところで、隣になんか腕を伸ばしてたルフィがそう答えた。やっぱり、ルフィは1回負けちゃってたんだ。…だけど、
「だから、もう負けねぇ!!!あとよろしく。」
「さっさと行って来い…」
「お前が勝てなきゃ誰が勝てるってんだ!!!」
「ルフィ……」
「ん。」
「ぶっとばしてきて!!!」
そう言った私の言葉に、フ…とルフィは笑った。こういう笑い方をするのは珍しいけど、ルフィがちゃんと応えてくれたことに意味があるんだ。
「終わりにするぞ!!!全部!!!」
「「「「「「おォし!!!!」」」」」」
ルフィの号令でみんなが返事をする。気合を入れ直して、アラバスタを救うために……ビビを助けるために。ルフィの一言でこんなにも仲間に気合が入る。これは本当に凄い能力だと思う。ルフィはそのまま王宮へ飛んでいってしまった。クロコダイルを倒すために。よし、私達も次の行動へ移そう。