第30章 タイムリミット
「そうかな?想いは多分ウソップのほうが強いと思うよ。………ううん、違うな。ビビだ、1番強いのは。」
「………はは、そうだな!!」
「なまえちゃああぁ〜〜〜ん!!ここにいたんだねぇ〜〜〜〜〜♡」
少し重い雰囲気を取り除けた時、サンジが走ってやってきた。結構ボロボロで、姿だけでMr.2に手こずったということが分かる。その手にはMr.2に取られていたウソップのゴーグルがあった。ちゃんと取り返してくれたところがサンジの優しさだよね。
「サンジ〜〜〜!!ありがとう!!」
「いえいえ、なまえちゃんの為なら例え火の中でも戦います!!」
火の中なんて、これからの島でありそうだよね。その時は是非先陣切って戦ってもらおうかな。
「うお〜〜っ!!ありがとう、おれのゴーグル取り返してくれたのか!サンジ、お前って奴ァッアア〜〜ッ!!おい待て!!これ壊れてんじゃねぇかコノヤロー!!これは“北の海(ノールブルー)”の最新モデルだぞ!!わかってんのか、このゴーグルの価値って…」
「おい、見ろあれ。ありゃきっと反乱軍の援軍だ…!!」
「まだ増えるのか!?」
「そうらしい。」
ウソップの抗議が耳に入ってないのか、あえて無視してるのか分からないけど…ウソップの声を遮って話すサンジ。確かに向こうから凄い数の反乱軍の姿が見える。
「…宮殿へ急ごう。まだビビちゃんの力になれるかも知れねぇ。」
「わかった!!」
「えっ、ちょっと…ウソップは!?」
全身包帯だらけで動けないであろうウソップを置いてくなんて私はできないぞ。それを無視して走り出すサンジとチョッパーに待ったをかける。サンジは苛ついたように振り返った。
「…チッ……オイウソップ早く来いっ!!なまえちゃんの手を煩わせるんじゃねぇ!!」
「何ィ〜〜!?ちょっとまってくれっ!!この…見ろホラ、おれのこの負傷具合が目に入らねぇのか!?」
別にそんなウソップが負担になってるわけじゃないし……それにしても、どうやってウソップを連れて行こうか。本人も動くのが辛いと言ってるし、無理やり肩を貸して歩かせるのにも抵抗がある。