第30章 タイムリミット
「……なぁなまえ。」
「ん〜?」
「ルフィは生きてるよな?」
「………え?」
チョッパーが不安そうに聞いてきた。なんでまた。確かにクロコダイルと戦ってたルフィの居場所は不明だ。クロコダイルだけこっちに戻ってきてるんだもん。たけど、だからってルフィは死んだことには結びつかない。
「あのモグラババアに言われたんだ。ルフィは死んだ、ってな。でもおれは信じちゃいねぇ。だってルフィだぜ?」
「お、おれだって信じてねぇよ!!……だけど…」
「…………………ふふ、」
モグラババアって言うのは多分ミス・メリークリスマス。彼女はモグモグの実を食べたモグラ人間だったもんね。信じてないって断言してるウソップも、信じてるけど不安は取り除けないチョッパーも…同じ顔をしてる。そんな断言できる情報だったらともかく、相手が社長であるクロコダイル側の敵だったらもう話にならない。信じるも何も、こんなところで死ぬような男じゃないんだルフィは。
「な、何笑ってんだよ。」
「………信じるも何も、ルフィが死ぬ理由がないじゃん。」
「「…………!」」
「確かにさっき、クロコダイルを見つけた。ルフィはいなかったけど……でもあいつのことだから、逃げられたかあるいは…………攻略できなくて1回敗れたか…」
「負けたのか!?ルフィは!?」
私の予想に焦ったような声を出したチョッパーは言った。
「負けたかもしれないけど……それは悪いことじゃないよ。ルフィは負けっぱなしになってるような男じゃないもん……またきっと勝負しに来る。最終的に勝てばいいんだから。」
「………おめぇはよ、…」
「うん?」
「………いや、……………強ェな。って思っちまった。」
何か意味深に言葉を切って、ウソップは真っ直ぐと私を見て言った。ここまで言ったんだからせめて最後までって思ったけど、さっき私もそれやったから言えない。それにしても…強い、ねぇ。別に私は精神が強いわけでもないんだけどな。