第28章 クロコダイル
「…………自惚れるなよ、小物が……」
「…………お前のほうが小物だろ!!!」
「来い。さァ、こいつらを見捨てるなら今の内だミス・ウェンズデー。反乱を止めてぇんだろ?……ハハ。」
クロコダイルに呼ばれて下から出てきたのは大きなバナナワニ。歩くたびに地鳴りがなって重さがある。ビビの顔は真っ青で、今にも倒れそうだった。かくいう私もビビの前に出たはいいが……今すぐ逃げたい気持ちでいっぱいである。助けを求めてゆっくりとルフィ達を見るが
「よし勝て!!なまえ、ビビ!!!」
「…………マジで、言ってます?」
助けは来なかった。どうしよう。
「無茶言うな、デカすぎるぜっ!!!なまえ、ビビ!!逃げろ!!無理だ!!!で…でも助けてくれ、」
「いや無茶言ってるのはウソップでしょ!!!コイツはどうやったら倒せるの!!?」
「おい窓の外を見ろ!!あいつら順番待ちしてやがる!!!」
「完全にエサ扱いだな…」
ビビを見る。まだ顔は真っ青で、足も震えている。でも、その手には武器を持っており…戦う意思を見せていた。
「孔雀一連(クジャッキーストリング)………」
「あァっ!!!」
「うううああああ!!!」
ビビの攻撃も出せぬまま、バナナワニの大きな口が襲ってきた。大きい上にスピードまで速いなんて聞いてない!!しかも私達の後ろにあった石の階段を食いちぎるような顎の強さ。
「きゃあ!!!」
「ビビ!!!」
ビビの悲鳴で石から目を逸らすと…ビビがバナナワニの尻尾で跳ね飛ばされていた。なんて、なんて速いんだコイツは。
「うぅ……待てワニ!!私もエサだよ〜…」
「おい何やってんだ!!!」
ふっ飛ばされたビビの前に立ち塞がる。自分でも何やってんだって思ってるけど、今血を流して倒れてるビビよりまだ怪我を負ってない私のほうが戦えるのだ。今から覚悟を決めて戦おうと思ったとき、廊下の奥の方から電伝虫の音が聞こえた。